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『魔法少女育成計画F2P』 第2巻 遠藤浅蜊(作) 柚木涼太(画) マルイノ(キャラクター原案) 【日刊マンガガイド】

2017/03/23


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『魔法少女育成計画F2P』


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『このマンガがすごい! comics 魔法少女育成計画F2P』 第2巻
遠藤浅蜊(作) 柚木涼太(画) マルイノ(キャラクター原案)
宝島社 ¥640+税 (2017年3月23日発売)


アニメ版の衝撃的な結末も、いまだ尾を引く『魔法少女育成計画』。
そのスピンオフ作品として、当サイト「このマンガがすごい!WEB」で連載されている『魔法少女育成計画 F2P』の第2巻が発売された。

完全オリジナル作品である本作の要点をあらためて紹介しておくと、まずは原作小説やアニメで「運営」と呼ばれていた「魔法の国」サイドのことも描写されていることが大きな特徴。
そして、その魔法の国のやり方や存在そのものを許すことのできない「レジスタンス」と魔法の国の対立を描くのが『F2P』の基本構造である。
物語は、レジスタンスたちが結界を張りめぐらせている街に調査員として派遣されたアルマ(本作のヒロイン)が、結界の外に出られなくなるところから始まる。
同行した魔法少女が容赦なくレジスタンスに抹殺された一方で、「舐めた相手の説明書を出す」というレアな魔法が有用と認められ、当初はやむをえずレジスタンスに協力していたアルマ。
しかし、しだいにレジスタンス側の事情を知るにつれて「みんなを守りたい」という気持ちが強くなっていく──。

第1巻ではまだ、大まかな輪郭しか見えていない要素も多かったが、第2巻ではいよいよ各々のキャラクターの動機やバックボーンが描かれ始める。
なかでも第1話から存在が噂されていた「死をキャンセルする」という魔法の真実は衝撃的。
その能力を持つのが誰であるかということだけでなく、「死をなかったことにする」とはどういうことなのか、そしてそれがレジスタンス側の中心人物にいかなる影響を及ぼしているのか……と、何層にも重なった物語の深層部へと掘り進んでいくような展開にはゾクゾクさせられる。

また、魔法の国側の捜索する人物として「歴史上すべての魔法少女が掲載された名鑑を持ってるよ」という魔法少女の存在が浮上するのも大きなポイント。
この世界での魔法が漠然とした便利な能力ではなく、そのどれもが非常に限定的なものであることから、いわゆる"情報戦"こそが重要なのはすでに明白。ヒロインのアルマの魔法も「説明書」のかたちで相手のスペックをまる裸にするという、まさに情報を司る能力なのだが、その「名鑑」の魔法少女もまた、情報そのものが能力となっているところがおもしろい。
そして「歴史上すべての魔法少女」ということは、もしかして原作小説やアニメ版でおなじみの魔法少女たちとのクロスオーバーも……? といった、これから先の展開への興味もつきない。

そんな物語の核心部分もさることながら、もうひとつの見どころはアルマの魔法の発動条件である「舐める」という行為の使いどころだろう。彼女自身の慎み深く、恥じらいやすい性格と、究極的に大胆ともいえる「舐める」行為のギャップに「イケナイものを見てる」感覚がMAXとなること必至。
相手のスペックを見通すという比喩的な意味ではなく、文字どおり肉体的にまる裸に……という展開も見逃せないゾ?

第11話の扉絵は、ファンのみなさまへ大出血サービスのセクシーカット♥

第11話の扉絵は、ファンのみなさまへ大出血サービスのセクシーカット♥

魔法の国とレジスタンス、それぞれの陣営の深層を描きつつ、物語の流れも加速しはじめる第2巻。『魔法少女育成計画』シリーズのキモともいえる、キュートな絵柄と残酷表現の刺激的なとりあわせも相変わらずだが、ますます複雑に絡みあうストーリーから目が離せない。



<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。

単行本情報

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