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『“天才”を売る 心と市場をつかまえるマンガ編集者』 堀田純司 【日刊マンガガイド】

2017/04/15


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『“天才”を売る 心と市場をつかまえるマンガ編集者』

  
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『“天才”を売る 心と市場をつかまえるマンガ編集者』
堀田純司 KADOKAWA ¥1,600+税
(2017年3月27日発売)


アニメ、マンガ関係をはじめ、多数のインタビュー本を手がけてきた著者が、第一線で活躍中のマンガ編集者に取材した本だ。

こう聞くと、「またあのあたりの人が話をしているんだろうな」と、取材対象にあたりをつける人も多いだろう。鳥嶋和彦、長崎尚志、佐渡島庸平、江上英樹、樹林伸などなど。

安心してほしい。本作には、今名前をあげたような、メディアによく登場するスター編集者はひとりも登場しない。
著者の言葉を借りれば、漫画家という異能の天才に対する“ふつうの人々”だ。
しかしながら、手がけた作品は、『僕のヒーローアカデミア』『風夏』『蒼き鋼のアルペジオ』『自殺島』『弱虫ペダル』など、そうそうたるものが並ぶ。

第3部に登場する2人は、手がけた作品の一般での認知度は高くないかもしれない。
だが、ひとりはWEBコミックの雄である「コミックシーモア」、ひとりは長年にわたり多くの女性読者の心を捉えてきた「ハーレクインコミックス」という、媒体・レーベルとして大きな支持を集めている場で活躍する編集者だ。

ようするに、いずれの取材対象者たちもヒットメーカー。
だがその言葉に、妙なうわつきはない。

著者は序章でいう。

「人にとって人は、最大の難問。そのように複雑な人間関係の中でも、もっともスリリングな関係は『作家と編集者』ではないだろうか」

読み終えた瞬間、「まさに!」と膝を打つ。
取材で語られる作家との関係はどれも緊張感があり、その困難の乗り越え方は人それぞれだ。
年齢も様々、キャリアも様々だが、語る言葉はどれもギリギリの一線で活躍し続けている人ならではの重みがある。

クリエイティブの現場の一端がうかがえる本としてはもちろん、編集者という“人間関係のプロ”のスキルを学ぶことができる1冊として、人づきあいや日々の仕事に悩める現代人に広くオススメしたい。



<文・後川永>
ライター。主な寄稿先に「月刊Newtype」(KADOKAWA)、「Febri」(一迅社)など。
Twitter:@atokawa_ei

単行本情報

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