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『はじめてのギャル』 第3巻 植野メグル 【日刊マンガガイド】

2017/04/25


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『はじめてのギャル』

  
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『はじめてのギャル』 第3巻
植野メグル KADOKAWA ¥580+税
(2017年3月25日発売)


「ギャル」の萌えキャラ化の波が、ここ最近一気にきている。
なかでもこの作品は、ギャルのかわいさに焦点を定め、がっちり光を当てている。夏にはアニメ化もされる。

バリバリのギャルの八女さん。
パッとしない少年ジュンイチは、友だちに煽られて「八女さんに土下座して告白する」という行動に出る。八女さんはビッチだと思っており、童貞を捨てたかったからだ。失礼極まりない。
それをさらっと受け流しながら、彼をもて遊ぶようにつきあうことになる八女さん。
2人の思いは、まじめな恋へと発展していく。

第2巻では気の強い黒ギャルの蘭子が、第3巻では不思議ちゃん系ギャル幼なじみの寧音が登場。
いろんな属性のギャルハーレム色が強くなってきた。

第1巻ではギャルの八女と、ジュンイチら非リア充集団には巨大すぎる断絶がある。
「ギャル・ヤンキーは敵」という印象は、マンガ表現のなかに深く根ざしている部分がある。
そこに、ギャップが生まれてくる。

八女さんも親しく接するほど、純粋な女の子であることが発覚していく。
見た目の派手さ、明るいリア充感、そして意外とまじめな性格。すべてギャルキャラブームに欠かせないファクターだ。ジュンイチを振りまわし、イケイケに見える蘭子ですらも、本音部分はピュア。

ギャルは遠い存在に見えるけど、案外身近で優しいんじゃないか、という憧れが詰まった作品。ギャル表現の切りこみ隊長として、ギャル好きをガンガン増やしていただきたい。
ギャップ萌えギャルマンガの金字塔『おしえて!ギャル子ちゃん』、「ギャル」がなぜギャルメイクをするのかに切りこんだジュブナイル『星野、目をつぶって。』、ヤンキーやギャルを「悪女」と据えつつ魅力を掘るラブコメディ『六道の悪女たち』などと比較してみるのもおもしろい。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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