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『カブちゃん』 第1巻 鍬形ゆり 【日刊マンガガイド】

2017/05/03


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『カブちゃん』



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『カブちゃん』 第1巻
鍬形ゆり 小学館 ¥552+税
(2017年3月10日発売)


とにかくカブちゃんがかわいすぎるっ! そんなシンプルだがこれ以上ない王道のキャラクターマンガの魅力を再確認できるマンガが『カブちゃん』だ。

愛するカブトムシのつのじろうさんを失った、虫好きの女子大生・はるなの前に、ある日突然、現れたのが謎の生物・カブちゃん。

見た目はちょっと、吉田戦車『伝染(うつ)るんです。』のカブトムシ斎藤さんを彷彿させるおっさん風ながら、つぶらな瞳で大好物のカマンベールチーズをペロペロし(皮をなげ捨てたのをはるなが食べる!)、短い手足でどたどた歩いて、うれしいと角をぐるぐる、片足あげておしっこしたり……。

赤ちゃんのように無垢で自由で神聖なものを感じさせる「カブちゃん」の仕草や表情がいちいちキモかわいすぎて、女性ならずとも母性がキュンキュンくすぐられっぱなし。
私も飼いたい!というのは無理としても、マジでぬいぐるみとか出たら買ってしまいそう……。
これは早くも今年のキャラクター大賞決定でしょう。

著者の鍬形ゆりさんは東村アキコさんのアシスタント出身だそうで、なるほど画風も近いものがあるが、はるなの天然っぷりと後輩マユちゃんのブラックなツッコミの緩急など、ギャグシーンのテンポのよさは、まさに東村直系!
かつ、女の子キャラのかわいらしさはオタク男性層にもアピールしそう!?

現時点では、はるな&カブちゃんと昆虫研究会の仲間たちのゆる~い青春コメディなノリが強いが、はるなの幼なじみでもある若葉との関係、カブちゃんの正体やUMA(未確認動物)としてカブちゃん捕獲を狙う親子の存在も気になるところで、今後あっと驚く展開も期待できそう。

とにかく読めば、あなたも東村先生の帯文よろしく
「カブちゃあああああああああああああああん!!!」
と叫びたくなること間違いナシ!



<文・井口啓子 >
ライター。月刊「ミーツリージョナル」(京阪神エルマガジン社)にて「おんな漫遊記」連載中。「音楽マンガガイドブック」(DU BOOKS)寄稿、リトルマガジン「上村一夫 愛の世界」編集発行。
Twitter:@superpop69

単行本情報

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