日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい！WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー！

今回紹介するのは、『瘴気のガスマスカレイド』

『瘴気のガスマスカレイド』 第1巻
田中克樹（画） 水城水城（作）　徳間書店　￥580+税
（2017年3月18日発売）

ライトノベル『サイコメ』シリーズの水城水城と、『超推脳KEI』で作画を務めた田中克樹。この2人がコンビで送る、ダークファンタジーの第1巻が発売だ。

舞台は瘴気（しょうき）に侵され、瘴気の力で変異した生物「魔獣」のいない結界のなかでのみ、人類が安全な生活を送れる世界。
そんな世界で活躍するのが、瘴気に含まれるエネルギー「魔力」を利用して魔獣を駆除する職業「戦闘魔術師（ウィザード）」たちだ。
物語は、主人公・結城堅牙（ユウキ・ケンガ）が、結界内に侵入してきた魔獣に襲われているところを、すご腕の戦闘魔術師・飛雅凌（ヒュウガ・リョウ）に助けられる場面から幕を開ける。

まず目に留まるのが、タイトルにもなっているガスマスクや、魔術師たちが使用する、「戦闘杖（スタッフ）」といったガジェットの数々だ。緻密な筆致で描かれる作品世界と、そこで活躍するアイテムたちの活躍は、まったく設定負けしてしない。
本巻では、堅牙が憧れの凌率いる猟団「カルネイジ」に入る過程と、結界の外で壮絶な初陣を体験する模様が描かれている。熱血一辺倒な主人公の活躍を軸に物語が展開するのかと思いきや、ラストに用意された衝撃の展開を見るに、今後のストーリーはひと筋縄ではいかなそうな気配だ。エロとグロ、そして中2精神のほとばしるファンタジー世界から、第2巻以降も目が離せない！

＜文・山田幸彦＞
91年生、富野由悠季と映画と暴力的な洋ゲーをこよなく愛するライター。怪獣からガンダムまで、節操なく書かせていただいております。
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