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『症年症女』 第3巻 西尾維新(作) 暁月あきら(画) 【日刊マンガガイド】

2017/06/07


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『症年症女』

  
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『症年症女』 第3巻
西尾維新(作)暁月あきら(画) 集英社 ¥438+税
(2017年5月2日発売)


『めだかボックス』のコンビによる、実験的作品の最終巻

12歳の誕生日に必ず死ぬ、相手の個性のようなもの(名前や容姿など)が全部見えなくなる、という奇病にかかった少年。
彼は唯一無二の個性を手に入れたいと願っていたため、この病気にかかったことを喜んでいた。
ところが、ほぼおなじ症例の女の子が現れた。しかも先に死ぬらしい。
そのうえ、天才でなんでもできてしまう。彼の個性は彼女の前に歯が立たない。
彼は、少女が死ぬ前に殺そうと決意する。

西尾維新は言葉遊びを得意とする著者だ。この作品ではその手腕が遺憾なく発揮されている。
自分たちの病気の謎などの事件は、人を煙に巻いたかのような言葉で、どこから冗談でどこまで本気なのかわからなくなっている。
それを暁月あきらが、画面を突然逆さまに展開するなど、実験的絵柄とコマ割りで飾りあげる。

そもそもこの病気はなんなのか。なぜ個性が見えないのか。
どうして12歳になると絶対死ぬのか。なぜ第2巻後半から、少女の顔が見えなくなったのか。
ほとんどの理由は「最終症」のあとの「後遺症」で、“追悼”の意味での“追試”として明らかになる(このへんも全部言葉遊び)。

いちおう作中の謎の解はひととおり出ているのだが、どうにも言葉に騙されている気がしてならない。
先に死んでしまった少女の言動が、天才すぎて不可解なところが多いのだ。
そこが、作品のテーマである“個性”とは何か、という最大の問題に関わっている。

第1巻の「これは 少年(ぼく)が 少女(このこ) を殺すまでの」というモノローグの正しい意味がわかる第3巻
この屈折した作品のヒントになるのは、西尾維新のあとがきにある、『めだかボックス』と『症年症女』の相互関係。
読んでたしかめてみてほしい。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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