365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが 「きょうのマンガ」です。

7月9日はジェットコースターの日。本日読むべきマンガは……。

『新プロゴルファー猿』 第5巻 （Kindle版）
藤子不二雄A 小学館 ￥432+税

きょう7月9日は「ジェットコースターの日」である。
1955年7月9日に開園した後楽園ゆうえんち（現在の東京ドームシティ アトラクションズ）に日本初のジェットコースターが設置されたことに由来している。

ジェットコースターが印象的に登場する作品といえば『新プロゴルファー猿』（藤子不二雄A）だ。
もともと『プロゴルファー猿』は小学館「週刊少年サンデー」に連載されていたが、より低年齢層向けにアレンジして「コロコロコミック」で連載していたのが『新プロゴルファー猿』である。
1986年には劇場用アニメにもなった（同時上映は『ドラえもん のび太と鉄人兵団』と『オバケのQ太郎 とびだせ！バケバケ大作戦』）が、この劇場用アニメの原作となったのが「スーパーGOLFワールドへの挑戦」である。

ミスターXは富士山のふもとにゴルフの大遊園地“スーパーGOLFワールド”を建設し、猿丸に招待券を送る。
遊園地で末弟の小丸を人質に取られた猿丸は、やむなくミスターXの“影のプロゴルファー軍団”との対決を余儀なくされる。
曲打ち打法の変奇プロ、心眼のバットマン・闇兵衛、恐怖の飛ばし屋、コング・拳と、かつて猿丸と戦った3人と再戦することになり、その第1関門となるのがコング・拳とのジェットコースター勝負だ。

時速300キロで走るジェットコースターの上に体を固定し、そこからティーショットを行い、コース上にある3つのターゲット（ミラー）をショットで打ち砕く、というのが勝負の内容である。
このうちひとつでも打ち漏らすと、ジェットコースターに体を固定しているバンドが外れるので、ゴルファーは慣性の法則で空中に投げ出されてしまう。コング・拳は投げ出される際に「グアー」と叫ぶが、「グアー」どころの騒ぎではない。
さて、物語は影のプロゴルファー軍団を倒したところで、思わぬ展開を見せるのだが、それは読んでからのお楽しみ。
ゴルフをモチーフにしたテーマパーク、ゴルフコースをモチーフにした数々のアトラクションと、藤子不二雄A先生ならではの奇抜なアイデアを存分に楽しみたい。

＜文・加山竜司＞
『このマンガがすごい！』本誌や当サイトでの漫画家インタビュー（オトコ編）を担当しています。
Twitter：@1976Kayama