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『ワンダーウーマン アンソロジー』 DCコミックス(著) 【日刊マンガガイド】

2017/07/31


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『ワンダーウーマン アンソロジー』



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『ワンダーウーマン アンソロジー』
DCコミックス(著) パイ インターナショナル ¥3,000+税
(2017年6月23日発売)


ハリウッド劇場版の公開も待ち遠しい『ワンダーウーマン』
『バットマン vs スーパーマン』での、2大ヒーローの激突シーンに文字どおりの神々しさで降臨し、女優ガル・ガドットの美しさと強さを炸裂させた、あの場面を記憶に新しく覚えている読者も多いだろう。

ワンダーウーマンは、バットマンとスーパーマンに並ぶ、「DCコミックス」の世界におけるもう1本の柱にあたる。
バットマンが“現代都市における超人性”は「知的能力」と「精神力」、そして「財産」であることを象徴し、そしてスーパーマンが“宇宙的な想像力における超人性”は「人格の高潔さ」と「身体能力の超現実性」であることを象徴している存在だといえる。それに対して、ワンダーウーマンは“神話的な物語における超人性”が何によって象徴されるのかを身をもって体現している存在だ、といえるだろう。

“神話的な物語における超人性”が象徴するもの、それは「美」であり、「強さ」だ。
ワンダーウーマンはオリエンタルなムードをまとった絶世の美女であると同時に、戦闘民族であるアマゾン族のプリンセスである。
今回刊行された『アンソロジー』は、時代ごと、アーティストごとに、その美しさと強さとがどのように描かれてきたのかを概観できる手頃なつくりになっている。

ワンダーウーマン初登場エピソードの、軍神・アレス(マルス)と美神・アフロディーテの対立からアマゾンの競技大会の描写は、古きよきアメリカンコミックスの豊かな色彩感覚と、まさにギリシャ神話のような牧歌性で読者を楽しませてくれる。
1950-60年代の若きワンダーウーマン(ワンダーガール)のTシャツ姿の愛らしさもすばらしい。



<文・永田希>
書評家。サイト「Book News」運営。サイト「マンガHONZ」メンバー。書籍『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』『このマンガがすごい!2014』のアンケートにも回答しています。
Twitter:@nnnnnnnnnnn
Twitter:@n11books

単行本情報

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