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8月6日は「神聖ローマ帝国が完全に解体された日」 『神聖モテモテ王国』を読もう!【きょうのマンガ】

2017/08/06


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが 「きょうのマンガ」です。

8月6日は神聖ローマ帝国が完全に解体された日。本日読むべきマンガは……。


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『神聖モテモテ王国 新装版』 第1巻
ながいけん 小学館 ¥533+税


962年、ローマ教皇ヨハネス12世によって、ドイツ王オットー1世がカロリング朝ローマ帝国の継承者として皇帝に戴冠されたことから始まったといわれる神聖ローマ帝国。

8月6日は、その神聖ローマ帝国が名実ともに解体された日。
ナポレオン戦争に巻きこまれてアウステルリッツの戦いで惨敗した時の皇帝・ フランツ2世は、1806年、神聖ローマ皇帝の称号を自ら放棄して退位し、神聖ローマ帝国は解体されて消滅となった。

そういわれても、世界史が苦手な人は、はて、ちんぷんかんぷん?
そんな人におすすめしたいのが“神聖”は“神聖”でもギャグマンガの『神聖モテモテ王国』だが、こちらはある意味、世界史以上にちんぷんかんぷん!?
とにかくぶっ飛んだ作品だ。

その前書きは、以下のとおり。
「ナオンと彼らだけの蜜あふるる約束の地、モテモテ王国。これはモテモテ王国建国を目指す彼ら親子の物語である」。
異星人であるらしい下半身はパンツ一丁の“ファーザー”と、本来は普通の学生だったはずなのに、いつの間にかファーザーの息子となって彼を同居させている、丸メガネで坊主の“オンナスキー”が、とにかく“ナオン”(女性)にモテるべく、奇妙なナンパ作戦を繰り返していくという物語。

ただでさえ不条理なうえに暴走気味なのに、さらにここにそれこそ歴史やアニメ、ほかマンガ作品のパロディも加わって、奇妙な王国建設とえもいわれぬ笑いが展開されていく。さらには敵キャラが絡みながらも実態も正体もまるで明かされず、底知れない闇と病み、その果てになんだか深みまで感じさせてしまうのが、『神聖モテモテ王国』のすごいところ。

ちなみに1996年から2000年まで「週刊少年サンデー」で連載された本作は、中断を経て2003年に「週刊ヤングサンデー」で短期連載。いまだ終了には至っておらず、そのなかで単行本も絶版となりながら、たびたび復刻版・新装版で発売されている。

モテモテ王国は解体・消滅に至らず?
あの独特の味わいと笑い、王国は再建となるのか!?



<文・渡辺水央>
マンガ・映画・アニメライター。映画『暗殺教室』パンフも手掛けています。

単行本情報

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