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8月20日は「ハワード・フィリップス・ラヴクラフト(小説家)の誕生日」 『栞と紙魚子』を読もう! 【きょうのマンガ】

2017/08/20


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

8月20日はハワード・フィリップス・ラヴクラフトの誕生日。本日読むべきマンガは……。


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『新装版 栞と紙魚子』 第1巻
諸星大二郎 朝日新聞出版 ¥1,000+税


本日8月20日は、小説家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの誕生日だ。
ホラー小説のレジェンドとして名高いラヴクラフトは、1890年にアメリカ合衆国のロードアイランド州プロヴィデンスに生まれた。
彼の生み出したもののなかで最も有名なのは、コズミック・ホラーの架空神話体系「クトゥルフ神話」だろう。
ラヴクラフトが友人の作家たちとともにつくりあげた濃密な世界観は死後100年が経過した今でも人々を惹きつけており、モダンホラーの大家であるスティーヴン・キングなど、彼にリスペクトを捧げる作家は多く存在する。
今回は、そんなクトゥルフ神話をモチーフとした一家が登場する諸星大二郎の『栞と紙魚子』を紹介したい。

女子高生の栞(しおり)と紙魚子(しみこ)のコンビが、胃の頭町(いのあたまちょう)で遭遇する数々の怪奇現象を一話完結で描く本作には、小説家・段一知(だん・いっち)さんとその家族が登場する。
段一知(名前の由来はラヴクラフトの著作『ダニッチの怪』)さんは、ラヴクラフトにそっくりで怪異が大好きな普通の人間なのだが、奥さんは色白の顔に巨大な顔と長い腕、魚介系っぽい足と、明らかにクトゥルフ神話に登場する異形の「旧支配者」を彷彿とさせるビジュアルだ。
そんな二人の愛娘・クトルーちゃんは、ボサボサの髪にぎょろっとした目は不気味なものの、ギリギリ人間の少女の姿をしている。だが、虫を食べたり体が変形したりと奇行が多く、怪奇現象に慣れた胃の頭町の住人もさすがに受け入れがたい様子。

一見不気味な段さん一家だが、クトルーちゃんのはしゃぐ姿や浮気疑惑に激怒する奥さんなど、数々のエピソードを読んでいるうちに、とてもチャーミングな存在に思えてくる。
劇中、あることがきっかけで奥さんの姿が人間サイズになってしまい、「こんな姿になってしまって……」と悲しむシーンなどは、涙なしには読めない!
もちろん本作には段さん一家にかぎらず、数々の奇妙な生き物や怪奇現象が登場し、その手のものが好きな人にはたまらないはず。
まだ読んでない人がいれば、ぜひともこれを機会にちょっと不思議な胃の頭町を覗いてみてほしい。



<文・山田幸彦>
91年生、富野由悠季と映画と暴力的な洋ゲーをこよなく愛するライター。怪獣からガンダムまで、節操なく書かせていただいております。
Twitter:@gakuton

単行本情報

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