日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい！WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー！

今回紹介するのは、『惑星クローゼット』

『惑星クローゼット』第1巻
つばな 幻冬舎コミックス ￥630+税
（2017年7月24日発売）

ちょっと不思議な物語を得意とする『第七女子会彷徨』の著者・つばなの最新作が登場！

なぜか異世界の夢を見るようになったヒロイン・愛海。危機感にあふれているらしい設定は夢にしてはやけに現実味を帯びているし、いつも同じ少女が出てくるし、ストーリーは続きもののようでもあり!?

そんなおり、目の前で姿を消した同級生が変わり果てた姿で夢に登場。
どうやら、あの「夢」の世界は現実とつながっているらしい……。

夢に登場する少女・フレアと親しくなった愛海は、襲い来る化けものから力をあわせて逃れながら、《この世界》の秘密を探ろうとする。
少しずつ過去の記憶を取り戻していくフレアも、かつては普通の女子高生だった模様。
目を覚ませば現実の世界に戻っている愛海との違いはなんなのか。
愛海もフレアも、特に勇ましいわけでもない普通の女の子で……。そんな2人が自然に友情に結ばれ、謎に迫っていくのが読みどころだ。

しかし、かわいい絵柄なだけに化けもののグロテスクな描写がいちだんと映えている！
独創的な異世界の情景描写、夢（？）ならではの唐突な出来事の数々が、まさに読み手も夢を見ているような不思議な感覚に引きこむのだ。

＜文・粟生こずえ＞
雑食系編集者＆ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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