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『BE BLUES!~青になれ~』第16巻 田中モトユキ 【日刊マンガガイド】

2014/10/04


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『BE BLUES!~青になれ~』第16巻
田中モトユキ 小学館 \429+税
(2014年9月18日発売)


田中モトユキ『BE BLUES!~青になれ~』は「週刊少年サンデー」(小学館)に連載しているサッカーマンガである。
主人公・一条龍は、未来の日本代表として将来を嘱望された天才サッカー少年だったが、不慮の事故により瀕死の重傷を負ってしまう。長いリハビリ生活の末にピッチへと復帰するが、かつてのボール感覚は取り戻せなかった。そこで龍は以前のファンタジスタ・タイプから、状況判断に長けたアタッカーへとプレイスタイルを変え、再び夢の日本代表をめざす。

曽田正人『シャカリキ!』や満田拓也『MAJOR』のようなカムバック・ストーリーとしてのドラマ性はもちろんのこと、「本格サッカーマンガ」と銘打つだけあってサッカーの技術や戦術に対する言及も多い。
現在、連載は高校サッカー編に突入。最新16巻ではレギュラー入りをかけ、紅白戦を戦っている最中だ。

2014年のブラジルW杯後、日本代表はアルベルト・ザッケローニからハビエル・アギーレに監督を交代した。監督交代直後は、どのような選手をピックアップするかに注目が集まるのが常だ。実際、9月のキリンチャレンジカップでは、代表初選出の武藤嘉紀(FC東京)と柴崎岳(鹿島)がゴールを決めて注目を集めたのは記憶に新しい。
しかし、監督交代時に、より顕著にチームに変化が見られるポイントとして「ボールの奪いどころ」と「DFラインの高さ」が挙げられる。

第16巻の紅白戦では、女子マネージャーたちが紅組と白組の監督となり、どちらも4-4-2の布陣をもちいて「ボールの奪い方」の違いを浮き彫りにする。
自分たちの攻撃における長所から逆算し、どの位置で奪えばいいか、奪ったあとにどのようにボールを展開し、前線まで運んでいくか。最終的にシュートに到るまでのプロセスこそが、作中でも語られる「ポゼッション」や「カウンター」といった戦術である。そうした現代サッカーにおける基礎的な部分を、この紅白戦を通じて見せてくれるのだ。
また、FWの龍が前線から中盤まで下りてきて、白組の選手を前後から挟んでボールを奪うシーンがあるが、これは「プレス・バック」と呼ばれるもので、先のキリンチャレンジカップでは本田や岡崎がサイドでその役割を担っていた。

このあと新生日本代表は、年内に4試合の国際親善試合(ブラジル戦を含む)を予定しており、年明けからはアジアの王座をめざしてオーストラリアでアジア杯を戦う。
本作『BE BLUES』を現代サッカーの参考書として活用し、アギーレ・ジャパンがどのような戦い方を志向するか注目すれば、いつもより少し踏み込んでサッカーを楽しめるにちがいない。



<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでのマンガ家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
Twitter:@1976Kayama

単行本情報

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