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『Dr.STONE』 第3巻 Boichi(画) 稲垣理一郎(作)【日刊マンガガイド】

2018/01/19


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『Dr.STONE』



『Dr.STONE』 第3巻
Boichi(画) 稲垣理一郎(作) 集英社 ¥400+税
(2017年12月4日発売)


突如、全人類が石化する大異変が起きてから約3700年後。
完全に文明が失われた世界に、石化から復活したサイエンス系天才少年・千空が、親友(ただし脳筋系バカ)の大樹とともに「ファンタジーに科学で勝つ」をモットーに文明を取り戻していくサバイバルSF。

序章のクライマックスであった前巻は、「科学の力でやがて全人類を復活させる」ことを大きな目標に掲げる千空たちと、「人類の浄化」のために石化した人間を意図的に破壊する超絶パワーの少年・司が全面対決。
そして千空の死亡(一時的にではあったが)にブチ切れる大樹……と、まるで最終回直前のような盛りあがりに熱くなる一方で、連載時は「こんなおもしろいのに打ち切り!?」と、違う意味でハラハラした読者も少なくなかったことだろう。

しかし物語の本番はむしろここから。
序章では千空と大樹、そしてヒロインの杠(ゆずりは)の3人組と、考えを異にする司というきわめて限定された人間関係に絞られていた本作だが、第3巻ではこの時代に生きる新世代人類の集落が登場。
いっきに40人もキャラクターが増え、そこに「社会」が構成されていることでグッと物語が深化していく。
ここまでは超能力こそ登場しないものの、千空と司の対決にフォーカスされていた展開はどこか「異世界異能バトル」的な味わいもあった本作だが、いよいよ「文明の復活」という壮大な目標へ向かって舵を切ったことで、ますます興味深く、新たな刺激に満ちていくこと必至である。

とりわけ注目したいのが、とある目的のため、石器時代に抗生物質や発電装置をつくるという、本作ならではの問題解決のプロセス。
科学知識と教養の積み重ねのみによって、いっきにかつての人類の歴史を数千年分ジャンプするかのようなワクワク感──そんな知的興奮は、新展開になってよりパワーアップしているように感じられる。

さらにキャラクター面でも魅力が加速。
未熟ながら「妖術」として科学を使っていた少年・クロムたち新たな協力者や、うさん臭さ100億%の軽薄人間・あさぎりゲンなど、いろんな意味で目が離せない新キャラが登場するが、なによりいっきに増えた登場人物が埋没することなく描かれているという、マンガとしての構成力にも驚嘆するほかない。

『このマンガがすごい! 2018』ではオトコ編の15位にランクインを果たした本作だが、最新刊ではよりいっそう、おもしろさにブーストがかかったこと間違いなし。
今後のさらなる注目度の高まりにも期待したい。



<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。

単行本情報

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