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『おはようとかおやすみとか』第1巻 まちた 【日刊マンガガイド】

2014/11/09


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『おはようとかおやすみとか』第1巻
まちた 徳間書店 \580+税
(2014年10月20日発売)


築50年以上の実家を離れ、新築マンションで待望の独り暮らしをスタートさせることになった28歳のサラリーマン・日向和平の前に現れたのは、女子高生の穂高と、7歳の双子・千世と千苗。なんと、この3人は和平の腹違いの妹だった。
母親が再婚して身の置き場がなくなった彼女たちは、和平の家にしばらく泊めて欲しいと懇願する(ちなみに絵本作家の父親は現在放浪中)。

作者は「コミックゼノン」第15回マンガオーディションにて、準グランプリを受賞した気鋭の女性作家・まちた。
ともすれば危ういベクトルに加速しそうな設定だが、エロ濃度はかぎりなく0%に近い、純粋な家族ドラマだ。家庭の温もりとは無縁だった和平が、ドタバタの毎日にうんざりしつつも、「おはよう」や「おやすみ」、「ただいま」や「おかえり」を経験し、埋もれていた感情が芽生えていく様を丁寧に紡いでいる。

かわいい双子の妹と腹違いの兄の間に挟まれる格好の穂高がとにかく健気で、心の根っこの変な部分を刺激されること請け合い。
居候の身として恐縮し、家事はすべて買って出る。早急に出ていきたいが、高校生の身で新生活を始めるには限界がある。無邪気に兄を慕う双子とは対照的に、生まじめでかたくなで甘えベタ。そんな穂高を合理主義者の和平も放っておくことができない。

はたして4人は本当の家族になれるのだろうか?
穂高が最後に見せるなんともいえないクシャクシャの表情に、もらい泣き必至だ。



<文・奈良崎コロスケ>
68年生まれ。東京都立川市出身。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。中野ブロードウェイの真横に在住する中央線サブカル糞中年。
「ドキュメント毎日くん」

単行本情報

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