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11月24日は外国産カブトムシ、クワガタムシの輸入が解禁された日 『モテ虫王者カブトキング』を読もう! 【きょうのマンガ】

2014/11/24


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『モテ虫王者カブトキング』第1巻
尾玉なみえ 集英社 \476+税


いつの世も男子はカブトムシやクワガタムシが大好きなもの。世界最大のカブトムシといえば、当然「ヘラクレスオオカブト!」って即答できますよね?
しかし、ほんのひと昔前はそういった外国産の甲虫は、なかなか生きた実物を見る機会なんてなかったシロモノ。それが「植物検疫法」改定の影響で1999年11月24日に輸入解禁されたことにより、外国産のカブト・クワガタが一般的なペットショップで入手が可能になったのである。 そのことが日本本来の生態系を乱すことになっているといった問題はあるものの、かつては図鑑や標本でしか見ることができなかった世界中の珍しい昆虫に直接触れる機会ができたという喜びや興奮は、特に子どもにとってはプラスとなることが多いだろう。

……と、そんな前フリで始めておきながら、今回紹介するのは、とても健全なお子様にはお見せできない昆虫マンガ『モテ虫王者カブトキング』。
著者は尾玉なみえ……なので、一見するとキュートな雰囲気だけれど、中身はえげつない下ネタや心をエグる毒舌のオンパレード。何かの奇跡で「週刊少年ジャンプ」に連載され(そして衝撃的すぎてあっという間に打ち切られた)、『純情パイン』『少年エスパーねじめ』の頃からこれが尾玉なみえの通常運行だが、初めて触れる人はうっかり人生の新しい扉が開いてしまうかもしれないので、少々お気をつけいただきたい。

特にこの『モテ虫王者カブトキング』は、キャラクターが擬人化された昆虫であるがために、「食べること」と「生殖すること」にネタが特化! 
結果的に、どの尾玉なみえ作品よりもえげつないことになっている。そしてゲストキャラは、シビアな昆虫の世界らしく次々とドライに死亡。今の世の中、ギャグでそんなことが許されるのも昆虫モチーフだからこそだろう。
本当に許されているのかどうかは、ちょっとわかりかねますが。

なお「そっちを紹介しろよ!」と言われそうな気もするが、外国産カブト・クワガタブームを背景に大ヒットしたゲーム『甲虫王者ムシキング』もコミカライズ作品がいくつか存在する。中でも『甲虫王者ムシキング ~ザックの冒険編~』は、コロコロコミックに連載されていたわりには、主人公のザックが卑怯一歩手前ぐらいに作戦重視(そして超ツンデレ)の少年という、やや意外なテイストがすばらしい。
こちらは安心してお子様にもオススメできますので!



<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。

単行本情報

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