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『放課後のカリスマ』第12巻 スエカネクミコ 【日刊マンガガイド】

2014/12/20


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『放課後のカリスマ』第12巻
スエカネクミコ 小学館 \581+税
(2014年11月28日発売)


ナポレオン、フロイト、ナイチンゲール……偉人たちのクローンが描き出す数々のドラマで話題を呼んだ衝撃作『放課後のカリスマ』も、ついに完結。

世界中の偉人のクローンだけが通う「セントクレイオ学園」。その存在が明らかにされ、様々な事件が起こった末に、世論はクローン排除へと傾いていく。
一方で、政治家グリーンの画策によって「クローン保護法」が成立。相反する動きのなか、クローンたちの利権をめぐりいくつもの思惑が絡む。権力が介入することとなった学園と、生徒たちの運命は……?

偉人たちの名前はあまりにも重く、大きい。
最終巻では、それを背負ったクローンたちが何を選び、どう生きていくかが問われる。そして、たくさんの血も流される。

人間は自由意思を持つ生き物だ。では、クローンは?
題材が題材なだけに、いろいろと考えさせられることばかりで、しかも決定的な答えは出せないだろう。
この際、全12巻を一気読みして、しばし思索にふけるのもよいのでは。クローンの、そして人間の魂のあり方や輪廻転生……想像を広げようと思えばどこまででもいけそうだ。

またこのマンガは、キャラ萌え的な観点でも魅力満載だ。
今回も物語の結末に向け、主人公の神矢史良が活躍するのはもちろん、偉人クローンのなかではアインシュタインとヒトラーが鮮やかに物語を引っ張っていく。
そして、すべてのキャラクターたちが、その居場所をきちんと表現する。若者たちの群像劇としても逸品かと。

どこにフォーカスしても楽しい、いろいろなかたちで味わえる裾野の広い作品だと思う。



<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。

単行本情報

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