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12月21日は第1回コミックマーケットが開催された日 『げんしけん』を読もう! 【きょうのマンガ】

2014/12/21


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『げんしけん』第1巻
木尾士目 講談社 \543+税


今年も日本最大規模の同人誌即売会「コミックマーケット」(通称コミケ)の開催時期が迫ってきた。
コミケは年2回、毎年の盆と暮れに開催されるのが慣例となっている。いまではオタクの祭典として広く認知されているコミケだが、もともとは既製の「マンガ大会」への不満から、批評集団「迷宮'75」によって企画・立案されたのがそもそもの発端。

そして1975年の12月21日、虎ノ門日本消防会館会議室にて、記念すべき第1回目のコミケが開催されたのである。
第1回の参加サークル数は32、一般参加者は約700人だったが、現在は東京国際展示場(東京ビッグサイト)で開催されるようになり、参加サークル数は3万5千、一般参加者は約60万人にものぼるようになった。まさしく日本中のオタクにとっての「ハレの日」といえるだろう。

したがってオタク文化を題材にした作品となると、当然のことながら、コミケを無視することはできない。
木尾士目『げんしけん』は、大学のオタク系サークル「現代視覚文化研究会」(現視研)を舞台にした青春群像劇。連載開始初期は、90年代後半から00年代初頭のオタク文化やオタクの生態を克明に記録しており、オタク風俗史の資料としても興味深い。

主人公の笹原や、彼の所属する現視研一同は、コミケをモデルにした「コミックフェスティバル」(コミフェス)に参加する。
当初は一般参加者として同人誌を購入していたが、物語が進むにつれて、現視研で同人誌を制作してサークル参加するようになっていく。コミケ参加の方法や心得を知るにも最適の作品といえるだろう。

どうもコミケというと「二次創作のエロ」という印象が強い。たしかにオリジナル創作や評論などのジャンルも存在するのだが、実際問題、やはりBLやエロの比率は高いといえる。
コミケは他人には言えないような自分の趣味・嗜好を肯定する「場」であり、会場を埋めつくすオタクたちは、ふだん見せたことがないほど晴れやかな表情をしているのが印象的である。一度でも会場を訪れると、セクシャリティの開放が人間の解放につながると気づかされるはずだ。

『げんしけん』は、いったん連載が終了したものの、現在は第二部にあたる『げんしけん 二代目』が、「月刊アフタヌーン」で連載中。
女装をした「男の娘」が登場し、いきおい物語は性自認の問題をはらんできているので目が離せない。

さて、今年の冬コミ(コミックマーケット87)は、12月28~30日に東京ビッグサイトで開催される。一般参加者の開場時間は10時からだが、たいへんな混雑が予想されるので、初めて来場する場合は、12時を目安に到着するくらいが望ましい。
あと、前日から徹夜で並ぶのは厳禁ですからね!



<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでのマンガ家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
Twitter:@1976Kayama

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