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『湯けむり球児』第1巻 森高夕次(作)木下由一(画) 【日刊マンガガイド】

2015/02/07


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『湯けむり球児』第1巻
森高夕次(作)木下由一(画)講談社 \600+税
(2015年1月23)日発売)


わけあって、温泉街の老舗旅館に下宿しながら高校に通うことになった五島六郎くん。
野球部に所属することに決まっているのだが、転入先は別に強豪校というわけでもないようで。はてさてこの下宿生活にはどんなわけが……?

温泉旅館には魅力的な女性がいっぱいだ。
仲居のみどりちゃん、出入り芸者のじゅん姐さんは、若くてピチピチかつ純真そうな六郎に興味津々のご様子。
真打ちは旅館の一人娘・ルミ子。彼女は、六郎が入部した野球部のマネージャーを務める特Aクラスの天然系美少女。野球部の面々は全員ルミ子の体操着姿を眺めることだけを日々の楽しみとしており、みんなのマドンナと同居する六郎は男どもの嫉妬を浴びまくることになるのだ。

そしてこの六郎くん、好青年風のルックスに似合わず、じつはずば抜けたイチモツの持ち主なのである。
なにしろパンツの下で“とぐろ”を巻いてしまうほどのロングサイズで、服を着てても目立ってしょうがない! お姉さま方はもちろん、可憐なルミ子ちゃんでさえ、ついついソコに目が行ってしまう始末。
だが、六郎くんの秘密はそれだけではなく……!?

活動はユルいが上下関係は厳しい野球部は、六郎の出現によって事件が頻発。
ガタのきたジェットコースターのように危なっかしくものんびりとした、不思議なグルーヴのギャグに飲みこまれていく感覚が心地よい。あ~、適温!

原作は、『グラゼニ』(画:アダチケイジ)や『江川と西本』(画:星野泰視)などを手がける森高夕次。
いまや原作者としても売れっ子だが、漫画家・コージィ城倉としても『おれはキャプテン』『チェイサー』、『ロクダイ』などで知られる人気作家。
その森高が、構想10年(!)の本作を世に出すに当たり、自ら指名した木下由一にも要注目だ。本作で興味を持った方には、ぜひ木下由一作品『くろのロワイヤル』も読んでみてほしい。



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
「ド少女文庫」

単行本情報

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