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『イナズマン1973 [完全版]』第1巻 石ノ森章太郎 【日刊マンガガイド】

2015/02/25


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『イナズマン1973 [完全版]』第1巻
石ノ森章太郎 復刊ドットコム \5,000+税
(2015年1月23日発売)


本作は1973年~74年に放映された実写テレビ番組の原作マンガ。『仮面ライダーV3』や『人造人間キカイダー』とほぼ同時期の、石ノ森章太郎原作による東映特撮ヒーローもののひとつだ。

原作とはいっても、テレビ版とはまるで別もの。
原作版『仮面ライダー』は本郷猛が死亡する衝撃の展開があったが(のちに脳髄を機械の体に移植)、こちらは主人公の名前が「風田三郎」でテレビの「渡五郎」とそもそも違う。 「サブロウ」は石ノ森作品の『ミュータント・サブ』や『少年同盟』など、特殊能力をもつ主人公の名前でもある。原作者のなかでは「イナズマン」は特撮の原作以上に、超能力マンガの集大成にする意識が強かったのかもしれない。

これ単品でも楽しめるが、「ここがテレビ版と違う」とツッコみながら読むとおもしろさもバツグン。
まず主題歌でも歌われた「サナギマンからイナズマン」の二段変身が、マンガ版では「卵からサナギへ、サナギから蝶へ」と能力が開花するたとえ話を聞いたから……つまり主人公が単純だったせいということに!

大がかりな「悪の組織」がかかせない改造人間と違い、「超能力」はただの少年が“目覚める”だけでいい。
そんなわけで序盤は下町を舞台に、ハデな見せ場といっても寺の墓石が乱れ飛ぶローカルヒーローぶり。「屋根瓦とイナズマンは切っても切れない」と言われる下駄履きの日常感が、銀河や神話に飛翔しがちな石ノ森作品のなかでは貴重だ。

「週刊少年サンデー」初出時のフォーマットが忠実に再現され、石ノ森氏によるイナズマンの初期デザインも収録されて資料性は高い。
島本和彦氏の新連載「イナズマンと私」での「どんだけサブちゃんが好きなんですか、石ノ森先生」(ハカイダーもサブロウ)には激しく同意!



<文・多根清史>
『オトナアニメ』(洋泉社)スーパーバイザー/フリーライター。著書に『ガンダムがわかれば世界がわかる』(宝島社)『教養としてのゲーム史』(筑摩書房)、共著に『超クソゲー3』『超ファミコン』(ともに太田出版)など。

単行本情報

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