『妖怪アパートの幽雅な日常』第8巻
香月日輪(作) 深山和香(画) 講談社 \600+税
（2015年3月9日発売）

同タイトルの原作小説のコミカライズ第8巻。

今回も既刊に劣らず、盛りだくさんな内容で（とはいえフール以外の魔道書の精霊達は今回は出番ナシ）、まかないつきの「妖怪アパート」（ちなみに手だけの幽霊のるり子さんがまかない担当。かなりメシウマ）では、十五夜のお月見を大家さん（妖怪）のはからいで人間と妖怪のための月野木病院の患者さんも呼んで大規模にやることに。

主人公の夕士は初の餅つきにヘロヘロになりながらも、なんとか十五夜のお団子を作り宴に花を添える。そんな宴もたけなわのところ、人間の患者さんだと思っていたおばあさんが「楽しい思い出ができた、ありがとう」と月夜に成仏していく。

一方、夕士の通う条東商業高校に、簿記・パソコン担当のノリのいい千晶直巳（男）と、清楚な美人の英語担当の青木春香の対照的な2人が赴任してきた。
夕士は直巳のこともアパートにいる大人と同じように「ちゃんと話ができる等身大の人間」として一目置くように。

そして英会話クラブには二学期から転校して来た普通科1年生の山本小夏が入部。自意識過剰をこじらせてやたらとみんなに突っかかる小夏の意図は――？　次巻の学園祭では一波乱の予感。

巻末にも収録されているけれど、作中の料理が本当においしそうで 関連書で『妖怪アパートの幽雅な食卓 －るり子さんのお料理日記－』も出ているくらい。 そちらにもぜひ注目してほしい！

＜文・小山まゆ子＞
フリーランスの編集・ライター。絶賛発売中!!　の『このマンガがすごい！2015』にも参加させていただきました。あと2015年3月25日発売予定の『宝島AGES』2号にもチョロっと参加させていただいております。