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『黒 -kuro-』第2巻 ソウマトウ 【日刊マンガガイド】

2015/04/08


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『黒 -kuro-』第2巻
ソウマトウ 集英社 \630+税
(2015年3月19日発売)


黒髪に赤いリボン、黒い服の少女ココ。彼女が抱えているのはちょっと変な外見の猫クロ。
ある大きな屋敷に住み、彼女たちは幸せに暮らしていた。
……という導入で始まるこの物語は、猛毒だ。

この世界には、数多くの化け物が住んでおり、人間の居住区域を侵食している。
居住区を守る白線を超えると、怪物に襲われて殺されてしまうのだ。
通常はその化け物が見えないため、子供の時に予防接種をし、常に見えるように調節している。

ココはある理由でそれを受けることができず、怪物が現時点でいっさい見えていない。
なぜかほかの人は、ココに関わろうとしない。
お話を書くのが好きなココ。それに絵を描くのが友人のミルク。
ココの人間の友だちは、いつも一緒に絵本づくりをしているミルクひとりだけ。ただ、ミルクは会いにくるたびに怪訝な顔をしている。
ただココは、友だちがいなくなろうとも、クロさえいれば意に介さない。

基本、視線はミルクのような「見えている」側から描かれる。
しかしココは、「見えていない」状態で、平和に生活を送っている。
なぜ人間のはずのココは怪物に襲われないのか。
みんなは不穏な様子でココを見る。しかしココはこの作品で一番笑顔で暮らしているではないか。
この歪みこそが、作品のキモだ。

物語全体を包む優しくメルヘンな空気は、ココが見ている感覚。
一方、死が隣りあわせのディストピアな世界観は、そのほかの人が見ている現実。
見えて悲しんでいるミルクと、見えなくて楽しんでいるココ……どっちが幸せなのだろう。

この作品は、カラーページとモノクロページに分かれている。
モノクロページで描かれるのは、ココの空想世界や、過去の物語。
カラーページで描かれるのは、現在ココがどのような生活を送っているか、の様子。

怪物が入ってこれないようにひかれているのは、白い線だ。
このマンガのカラーパートでは、1コマたりとも、マンガは外側の白い枠線からはみだしていない。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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