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『デッドプール デッド・ヘッド・リデンプション』ジェイソン・アーロン マイク・ベンソン他(作)カイル・ベイカー ロブ・ライフェルド他(画)高木亮(訳)【日刊マンガガイド】

2015/04/19


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『デッドプール デッド・ヘッド・リデンプション』
ジェイソン・アーロン マイク・ベンソン他(作)カイル・ベイカー ロブ・ライフェルド他(画)高木亮(訳) 小学館集英社プロダクション \2400+税
(2015年3月6日発売)


『アベンジャーズ』『スパイダーマン』など、そうそうたるヒーローたちの集うマーブルユニバースでも異色のキャラクター、デッドプール。
もともとは減らず口を叩く超人傭兵という悪役だったのだが、キャラクターを通じて描かれるユーモアやビデオゲームへの露出を通じて、今や通常のアメコミ読者層の範囲を超えて人気を獲得し、日本でも急速に知名度が上がっている。ライアン・レイノルズ主演での映画化も決定しており、2016年に公開の予定だ。

ヒーローらしからぬ出自だからこそ許される自由さを存分にいかし、アメコミ界の今を背負う一線のクリエイターから、伝説の巨匠に至るまでが参加して存分に実力を発揮した短編集が、今回紹介する『デッドプール:デッド・ヘッド・リデンプション』だ。
ただの短編集ではなく、なんと23篇も収録されており、デタラメなギャグマンガから気の利いたアクションまでその範囲は広い。
どれもマーブルコミックス全体の作品世界とはほとんど関係がないか、あっても完全にデッドプールの土俵に引きずりこんだ内容だ。

23篇も収録されているから、クリエイター陣の多彩さも見ものだ。
普段からマーブルのマンガでヒロイックな題材で活躍しているアーティストたちが、あえてのギャグマンガに挑戦したり、またはカルト人気を誇るオルタナティブコミックスの大物たちによる、頭のネジが外れたようなマンガも読める。
「デッドプール? ヒーローものでしょ?」と色眼鏡を使わず読んでもらえれば、アメコミとひと口に言っても多くのジャンルを内包している表現の幅広さがわかってもらえると思う。

アメコミのなかでもヒーローコミックスは、もともとがタイツを着た超人たちの登場する荒唐無稽な世界を扱うことになるジャンルだ。
そうした荒唐無稽さに向けられる批判を意識して、過度にまじめさや社会性をアピールした結果、必要以上に暗かったり暴力的になっていた雰囲気もかつては強かった。
それに対して近年のアメコミは、マンガとしてのおもしろさ・楽しさを追求していこうという流れが大きくなってきている。
『デッドプール』は、そうした読者に親しみやすく読んで楽しいマンガの先鋒を担ってきたキャラクターのひとりでもある。難しいことは考えずに手にとれる内容なので、ぜひ一読してもらいたい。



<文・Captain Y>
アメコミオタク。クリエイター・オリジナル作品専門の邦訳アメコミ出版社Sparklight Comicsから翻訳監修を担当したスパイスリラー『ベルベット』日本語版第1巻発売中。
ブログ:「Codex 40000 建設予定現場」
twitter ID:Captain_Y

単行本情報

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