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5月8日はジャンヌ・ダルクがオルレアン(フランスの都市)を解放した日 『神風怪盗ジャンヌ』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/05/08


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『集英社文庫 神風怪盗ジャンヌ』第1巻
種村有菜 集英社 \630+税


5月8日は、ジャンヌ・ダルク率いるフランス軍がイングランドとの戦いで大勝利をおさめ、オルレアン市を解放せしめた日。ときは1429年、百年戦争のまっただなかのできごとである。

神の啓示を受けて従軍し、フランス王シャルル7世の戴冠に貢献するも、魔女裁判にかけられて火あぶりの刑に架せられた悲劇のヒロインはフランスのみならず、世界的な人気を誇る存在だ。
ジャンヌはさまざまな文学、映像、戯曲、そしてマンガ作品にも多く登場しているが、なかでもちょっとひねりのきいた『神風怪盗ジャンヌ』を紹介しよう。

主人公・日下部まろんはジャンヌ・ダルクの生まれ変わり。普通の女子高生として生活しているが、世間を騒がす「怪盗ジャンヌ」というもうひとつの顔を持つ。
準天使・フィンに導かれ、美術品に憑依した悪魔を回収することが彼女の使命なのである。

張りこむ警察官たちをものともせず、ライバルの怪盗シンドバッド(もちろん美少年!)と丁々発止をくり広げつつ、華麗にあざやかに任務を遂行。「チェックメイト!」の決めゼリフも小気味よい無敵の少女だが、内心はさびしさを抱えている。
まろんは幼い頃から両親と離れて暮らしており、ときには孤独感に押しつぶされそうになることも。「だれかを救いたい」「人の役に立ちたい」という想いから日々果敢に立ち回っているが、本当はだれかに甘えたい、そんな自分の弱さを認めたくないという気持ちの狭間で苦しむ一面もあるのだ。

本作は、まろんの運命づけられた悪魔との戦い、そして彼女が友や仲間と、想い人との愛を育んでいく2本のラインを絡ませながら綴られる濃厚な物語。

タイムスリップして本物のジャンヌ・ダルクに出会ったり……そして壮大な真実が明かされる結末へ。
まろんの大きな瞳に映し出されるたくさんの感情を味わいながら読んでほしい。



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」

単行本情報

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