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『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』 オーサ・イェークストロム 【日刊マンガガイド】

2015/06/14


HokuouJoshiNihonNoFushigi_s

『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』
オーサ・イェークストロム KADOKAWA/メディアファクトリー \1,000+税
(2015年3月6日発売)


北欧スウェーデンといえば、IKEAに代表されるインテリアやデザイン、そして高福祉国家……。渋谷系を通過した世代ならPOPバンド「カーディガンズ」、80年代ならダンシング・クイーンの「ABBA」を思い浮かべる人もいそうです。
日本人にとってヨーロッパの北、スカンジナビア半島にあるこの国はオシャレなイメージと、高福祉から住みやすそうという漠然とした印象がぼんやり頭に浮かぶだけの人が大半だろう。

そんな“親しみはあるけど遠い国スウェーデン”から日本のマンガに恋して来日した少女・オーサの目から見た日本のおもしろい点をエッセイマンガにしたのが『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』。
ブログ「北欧女子が見つけた日本の不思議」で人気を獲得し書籍化した本作でまず目をひくのは、外国人による筆なのに絵柄やコマの運びが日本の文法にのっとっていること。

アメコミやバンドシネ的な日本人にとっての読みづらさはなく、オーサのキャラ立ちもマンガ的。
エッセイでありながら、海外のマンガ好き女性留学生が日本に一喜一憂するストーリーマンガとしても楽しめてしまう。

たとえば『きんいろモザイク』の留学生・アリスが、もし自分の視点でマンガを描いたら、この『北欧女子オーサ』のようになるのでは? と想像してしまう。
毎朝おにぎりを食べることを日課にしていたり、オススメのマイブーム丼が豆腐ぶっかけ飯にごま油をたらしたものとか、グッときすぎるんですけど!

扱われる題材は電車の並び方からはじまり、日本人とスウェーデン人との“やさしさ”観、食文化やモノの感じ方一般まで、ふわっと優しい手触りながらときに重いテーマもさらりとこなし、生まれ育ったスウェーデンの生活環境もどこから距離をおいて観察するオーサの立ち位置は、題名の元ネタになっているであろう『不思議の国のアリス』のよう。
なんにでも新鮮な驚きを隠さず、なのに本質にも手が伸びた思考は、マンガ読みならだれにでもおすすめできる良質なエッセイマンガになっている。



<文・久保内信行>
編集・ライター。アニメを主食にアイドル・サブカルチャーから経済、そして料理評論家まで心の胃袋に貯まるコンテンツを愛好しています。現在「mitok」にてWeb連載中。
URL:http://mitok.info/

単行本情報

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