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6月17日は沖縄返還協定が調印された日 『マブイ』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/06/17


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『マブイ』
比嘉慂 青林工藝舎 \1,200+税


1971年6月17日は、沖縄返還協定に日本とアメリカが調印した歴史的な日である。
発効は翌1972年の5月15日、こうして「沖縄県」は復活した。
以降米軍基地の2割が返還されたものの、現在も沖縄は在日米軍基地の存在に悩まされ続けている。沖縄県には依然、日本全国の米軍基地施設の75%が集中しているのだ。

そうはいっても、多くの人には米軍基地が身近にある生活がどんなものなのかは想像しがたい。
ここで紹介する『マブイ』の作者、比嘉慂は1953年沖縄生まれ、デビュー当時から沖縄戦や基地問題を描き続けている。本作は「基地」をキーワードに、沖縄に住む人々の現在をリアルに伝える作品集である。

たとえば、軍用地の借地代として、防衛施設庁から莫大な地代を受けとる「軍用地主」……ああ、こうした言葉を並べると「なんだかんだ言っても、それで潤ってるんじゃないか」と受けとられてしまいそうで心配になる。基地による収益があるのも事実、だがそこにあるリスクはどれほどなのか……。事実をフラットな目線で伝える本作を、ぜひ読んでほしい。

『マブイ』とは沖縄の言葉で「(生きている人の)魂」という意味だ。
反基地を掲げる人々、誘致運動の推進派、どちらにもそれぞれに沖縄を愛する心がある。
そして、沖縄に古くから伝わるシャーマンである「ユタ」、基地に勤めるアメリカ人たちを含めて描かれる人々の交わりは、沖縄を知る格好の手がかりを与えてくれるだろう。



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」

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