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7月8日は質屋の日 『七つ屋志のぶの宝石匣』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/07/08


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『七つ屋志のぶの宝石匣』第1巻
二ノ宮知子 講談社 \426+税


まいどおなじみ語呂合わせ系記念日。
「しち(7)・や(8)」ということで本日は「質屋の日」。
全国質屋組合連合会が制定したもので、有価商品を担保に一定期間金を貸す一種の金融業の団体はこの日、振り込め詐欺など金銭の貸借に関係して発生する犯罪への警鐘を人々に鳴らしている。

質屋の起源は古く、貨幣経済が発達した鎌倉時代にはもう誕生していたという。
金貸し通いは世間体が悪いということで、かつては質屋のことを「いちろく銀行」「セブン銀行」などと隠語で呼ぶ習慣があったが、そのなかには「七つ屋」という言葉もある。

その七つ屋をタイトルに掲げたマンガが、『のだめカンタービレ』の二ノ宮知子による『七つ屋志のぶの宝石匣』だ。

主人公の倉田志のぶは、江戸時代から続く老舗の質屋「倉田屋」に離婚した母とともに暮らす高校2年生。彼女には高級宝石店「デュガリー」に勤める“婚約者”北上顕定(きたがみ・あきさだ)がいる。
じつはこの顕定、かつては名家の御曹司だったのが、没落とともに倉田屋に幼い頃“質入れ”された、言わば“質流れ品”で……という物語。

顕定の職業が宝石商で、志のぶには宝石にまつわる因縁を感じとる超能力(?)が備わっているということで、本作のもうひとつのテーマは「宝石」。
1話目のブルーダイア(※この呼称は世界的宝石学教育機関「GIA」によるもの)にまつわる話では、2人の宝石に対するスタンスの違いをテンポよくコミカルに描くばかりではなく、顕定が自分の出自に関わる何かを探し求めているというサスペンス描写まで盛りこんでおり、早くも読者の目をくぎ付けにした感がある。

著者の知識欲の旺盛さと高い取材能力をひしひしと感じさせる新作。
第1巻から読み始めるなら今しかない!!



<文・富士見大>
編集・ライター。『THE NEXT GENERATION パトレイバー』劇場用パンフレット、『月刊ヒーローズ』(ヒーローズ)ほかに参加する。

単行本情報

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