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8月20日は禁門の変が起こった日 『JIN -仁-』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/08/20


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『集英社文庫 JIN -仁-』第4巻
村上もとか 集英社 ¥619+税


元治元年7月19日、グレゴリオ暦で言うと1864年のきょう8月20日、「大坂の陣」以来の市街地における内戦「禁門(蛤御門)の変」が起こった。 ゴリゴリの尊王攘夷論をかかげる長州藩は、前年に宮中で起こった「8月18日の政変」で京から追放の憂き目にあい、失地回復を賭けての挙兵だったわけだが、すでに「国賊」のレッテルを貼られた同藩に与する者はなく、一橋慶喜(のちの徳川十五代将軍)率いる会津・薩摩ほかの諸藩で構成された幕府軍(もちろん、新撰組もここに編成されてます)に大敗を喫する。

この辺は現在放送中の大河ドラマ『花燃ゆ』でもたっぷり描かれている……と思ったら、そんなに描かれてなくてガッカリというあなた! 同じ日曜だったけど別の局で6年前に放送された実写ドラマが好評を博した『JIN -仁-』を読みましょう!

幕末にタイムトリップした現代の医師の南方仁が、自分の医術を駆使して歴史の奔流のなかを生き抜く壮大なSF大河ロマン『JIN -仁-』では、「禁門の変」がしっかりと描かれている。
きっかけは「禁門の変」の約1週間前。京の三条木屋町で佐久間象山が攘夷派に斬られたものの、瀕死の重傷でまだ息があることを勝海舟から聞いた坂本竜馬は、江戸の仁友堂から南方を召喚。
満身創痍の象山がもう長くはないことを知りつつも南方が懸命に施した蘇生術の甲斐あって象山は意識を取り戻すが、そこで彼は衝撃的な体験を語る。なんと佐久間象山もタイムトリップしたことがあったのだ……しかも南方のいた“未来”に!

おっと、この先はマンガでたしかめていただくとして。
禁門の変そのものはわずか1日で収束したため、戦闘状態は象山を診ているあいだに終了し、南方は長州が放った火により炎上する京から被災者の救護活動に就く。
そこで彼は、新撰組の面々やあの薩摩藩の“重鎮”にめぐり合う。

時のはざまに迷いこんだ未来人が歴史に名を残す偉人と出会い、ときに彼らの運命まで変えてしまう奇想と独創に満ちたマンガで、幕末を体験してみよう。



<文・富士見大>
編集・ライター。『THE NEXT GENERATION パトレイバー』劇場用パンフレット、『月刊ヒーローズ』(ヒーローズ)ほかに参加する。ただいま好評発売中の『バケモノの子 オフィシャルガイド』「『仮面ライダードライブ』フォトブック~Drivin’Album」もやってます。

単行本情報

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