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『まんが親』第4巻 吉田戦車 【日刊マンガガイド】

2015/10/28


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『まんが親』


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『まんが親』第4巻
吉田戦車 小学館 ¥743+税
(2015年9月30日発売)


ご存じ、吉田戦車の育児マンガもついに第4巻に突入。

宇宙人的言動が目立った幼児期を経て、5歳となり、いよいよ「人間」に近づいてきた愛娘ちゃん。
休みのたびの「こーえんこーえん!」コールに「親が飽きる!」と根をあげたり、姫ブーム到来で、なんでも語尾に「わ」をつけてしゃべる娘の奔放な「わ」使いをレポしたり、なるほどキテレツなエピソードこそ減ったが、あいかわらず、だれもがあるある~とクスッと笑えて共感できるエピソードが満載。

その成長ぶりに目を細めつつも「ネタとしてオイシイ時期はもう過ぎたのかもしれない……」と危機感を抱く著者の姿に、いろんな意味で、吉田戦車もフツーの人なんだなあ……と、妙な親近感を抱いてしまう。
まあ、育児モノなんてだれが描いてもネタ自体は似たりよったりなわけで。

そんな「平凡な家庭の幸福」を描きながらも、カラスヤサトシは『エレガンスパパ』のなかで、人のぬぐいがたい孤独を描いたが、『まんが親』の特筆すべきは、なんとも形容しがたい子ども特有の表情がじつに見事にいきいきととらえられている点だろう。
モジモジしたり、この世の終わりみたいにギャン泣きしたり、ブスッと無表情でいたり……。「かわいい」だけじゃない、生物としての本能をさらけ出したようなリアルで味わい深い表情は、岸田劉生「麗子像」も真っ青で、対象への真摯な「愛」を感じずにいられない!

吉田の妻である・伊藤理佐の『おかあさんの扉』もあわせて読めば、日暮キノコ『喰う寝るふたり 住むふたり』さながら、男女ザッピング育児ストーリー的な楽しみ方も可だ。



<文・井口啓子>
ライター。月刊「ミーツリージョナル」(京阪神エルマガジン社)にて「おんな漫遊記」連載中。「音楽マンガガイドブック」(DU BOOKS)寄稿、リトルマガジン「上村一夫 愛の世界」編集発行。
Twitter:@superpop69

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