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10月28日は群馬県民の日 『お前はまだグンマを知らない』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/10/28


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

10月28日は群馬県民の日。本日読むべきマンガは……。


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『お前はまだグンマを知らない』第1巻
井田ヒロト 新潮社 ¥500+税


全国各地の地方行政機関が設けている「県民の日」。
私たちが自分の暮らす“お国”について学び、より親しもうという主旨のローカル記念日であり、観光系の施設では県の特色にそった形で割引などのサービスをおこなう場合も多い。

本日10月28日もそのひとつ、群馬県が定めた「群馬県民の日」だ。
群馬出身で郷土愛に熱い声優・小倉唯さんのファンなら、公式ブログで彼女がこの記念日に言及していたのをご記憶の方も多いだろう(参照:小倉唯オフィシャルブログ「ゆいゆいティータイム」2014年10月28日)。

これは明治4年(1871年)、廃藩置県の過程で関東北西部に並ぶ9つの県がひとつにまとまった際に初めて「群馬県」の名が冠されたことを祝う日。いわば群馬県のお誕生日だ。
ハッピーバースデイ、群馬!

さて、その群馬をメインの題材にした異色のマンガが近年、注目を集めている。
その名も『お前はまだグンマを知らない』。
“グンマ”へ他県から引っ越してきた高校生男子が、そのあまりに独自すぎる県民性や名物にふれてショックに襲われ続ける怒涛のローカルギャグマンガだ。

電車のドアが自動で開かないグンマ。
外に出れば強すぎる向かい風で一歩も足が進まなくなるグンマ。
激甘のみそ味で他県民が口にすれば死の恐れがある「焼きまんじゅう」をソウルフードとして常食するグンマ。

お花見に行けば自衛隊の駐屯地で訓練展示を眺めて兵器→兵器→兵器→ちょっと桜→兵器……という物騒なピクニックになるグンマ。
先人がGHQの厳しい検閲をくぐり抜けて後世にのこした地方かるた「上毛(じょうもう)かるた」の暗唱ができなければ粛清されるグンマ。

と、次々たたみかけてくるグンマ真実に主人公も読者もアイエエエ……と『ニンジャスレイヤー』のモブキャラみたいな状態が続くこと必至だ。

マンガで強烈な地方ネタといえば、魔夜峰央先生が『パタリロ!』でノースダコタを「アメリカの千葉」と称したり、県民差別を超極端に描いて普遍的な差別問題ドラマに演出した短編「翔んで埼玉」を描いていたのが思い出される。

ただ、本作の場合、劇中に描かれる地元民の暮らしぶりは苦労や不便も入っているけれど、それ以上に、日本の中心はグンマだ! と強い自負心でギラギラ輝いているのがポイント。
その熱にあてられて、主人公はカルチャーギャップにショックを受けながらも恐れるばかりではなく、時にグンマの文化に惹きこまれ、強く影響を受けていく。

そうして読んでいくうち、題名に込められた真のニュアンスは「お前はまだグンマ(のすばらしさ)を知らない」だと分かってくる。

つまりこれ、うしろぐらい自虐や外からのいじりではなく、お国自慢のコメディなんですね。
おどろおどろしい表紙とは裏腹に、愉快で元気をもらえるマンガとしておすすめできる作品。



<文・宮本直毅>
ライター。アニメや漫画、あと成人向けゲームについて寄稿する機会が多いです。著書にアダルトゲーム30年の歴史をまとめた『エロゲー文化研究概論』(総合科学出版)。『プリキュア』はSS、フレッシュ、ドキドキを愛好。
Twitter:@miyamo_7

単行本情報

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