日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい！WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー！

今回紹介するのは、『刀剣乱舞-ONLINE-コミックアンソロジー ～ヒバナ散らせ、刀剣男士～』

『刀剣乱舞-ONLINE-コミックアンソロジー ～ヒバナ散らせ、刀剣男士～』
DMMゲームズ/Nitroplus（案） 鎌谷悠希、野田彩子、高木ユーナ、田中ててて、長田亜弓、カレー沢薫、ルネッサンス吉田、池上遼一 他（著） 小学館 ￥648+税
（2015年10月7日発売）

日本刀の擬人化で一大ブームを巻き起こしたオンラインゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』の、待望のアンソロジー作品が登場！　しかもうれしいことに、巨匠・池上遼一による特別寄稿イラストという神的特典つきなのだ!!

ときは未来。歴史を改変しようとする勢力に対抗すべく、刀剣から引き出された神「刀剣男士」をそれぞれの時代へ送りこむことに……。
太刀、大太刀、長刀に脇差、懐剣など、日本の歴史に寄り添ってきた「刀剣男士」の舞台裏を、『刀剣乱舞』への愛とリスペクトにあふれる20名の作家が、硬軟織り交ぜて（ギャグ系もたくさん！？）描きだす。

アンソロジー作品のつねとして、登場キャラクターは著者の嗜好に大きく影響されがちだが、本作には、登場回数の差はあるものの、ほぼ全員が登場。
各作家のキャラへの想いが、刀剣男士たちを様々な角度から深く掘りさげているのを楽しめる。

ときに「そうそう！」と頷きながら、あるいは「違う～、そんなことない！」と異を唱えつつ、著者の想いを受けとめ、またぶつかり合って楽しめる、ファン必読の一冊だ。

＜文・藤咲茂（東京03製作）＞
美酒佳肴、マンガ、ガンダム、日本国と陸海空自衛隊をこよなく愛し、なんとなくそれらをメシのタネにふらふらと生きる編集ライター。