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『Now playing』第2巻 一二三 【日刊マンガガイド】

2015/11/20


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『Now playing』


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『Now playing(ナウ プレイング)』第2巻
一二三(ヒフミ) スクウェア・エニックス ¥571+税
(2015年9月19日発売)


「自分をやめたいと思ったこと ありますか」

センセーショナルな冒頭の問いかけに、
「僕はあります 割と毎日」
というミもフタもない答えを返すのが本作の主人公・東雲東(しののめ・あずま)、高校1年生である。

単調な日常とまわりの目を気にして言いたいことも言えない自分。うわべだけの笑顔でことなかれを決めこんでいる自分。そしてそんな自分に、面倒ばかりを押しつけて規定路線を歩むだけしか能のないクラスメートたち……。
そんな閉塞的な状況が形成した東雲の心の壁をぶち破ったのは、京都から転校してきた西園寺彩(さいおんじ・さい)だった。

みずからを「学生演劇の頂点を極めし演出家」と称して、東雲のクラスの出しものである演劇を「ゴミにも満たない駄作」と一刀両断してのけた西園寺は、その足で東雲を部員がたった3人しかいない演劇部に強制入部させた。
文化祭の演劇で今まで隠していた“自分”を開放、鮮烈なデビューをかざった東雲は演劇のおもしろさにとりつかれ、西園寺の掌の上で踊らされながらも一歩ずつ成長していく。

演劇部の仲間たちがかかえる“秘密”に東雲と西園寺が関与していくことでそれぞれの関係性を確かめることになる第1巻を経ての最新第2巻では、それまでに登場していたものの今後は絶対に東雲と絡まないだろうと思われたある人物にスポットが当たる。
さらに、西園寺に降ってわいた事件で演劇部は存続の危機を迎える……。

一読しただけで「あ、知ってるんだな……」とわかるほど演劇に関する記述は緻密でリアリティにあふれている。
それもそのはず、どうやら著者は演劇を志したこともある漫画家で、「絶対に描かないと決めていた」(巻頭メッセージより)はずの演劇マンガで初の単行本化とあいなったしだい。
リアルタイムで演劇を志す人にとってはひょっとしたら自分の殻を破るテキストブックになるかもしれないし、かつて志していた人なら芝居の快感にワクワクしていた青春時代を(若干の胸の痛みとともに)思い出すかもしれない。
……そう、かつてそれを目指していた筆者が言うのだからきっと間違いない……ハズ。



<文・富士見大>
編集・ライター。『THE NEXT GENERATION パトレイバー』劇場用パンフレット、『月刊ヒーローズ』(ヒーローズ)ほかに参加する。「『仮面ライダードライブ』フォトブック~Drivin’Album」『別冊宝島2394 仮面ライダー』もやってます。

単行本情報

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