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12月5日はキケロ(政治家・哲学者)が「カティリナ弾劾演説」を行なった日 『キャプテンウルトラ』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/12/05


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

12月5日はキケロ(ローマ時代の政治家)が「カティリナ弾劾演説」を行なった日。本日読むべきマンガは……。


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『マンガショップシリーズ31 キャプテンウルトラ』
小畑しゅんじ マンガショップ ¥1,800+税


紀元前63年、共和政ローマの政治家マルクス・トゥッリウス・キケロがルキウス・セルギウス・カティリナのクーデター(武力による政府転覆)計画を告発し、彼の罪状をつまびらかにする「カティリナ弾劾演説」を行なった。
演説は11月8日から始められ、元老院の議会や市民広場で全4回にわたり展開。この12月5日は、キケロにとどめを刺すこととなる最後の演説が元老院議会で行われた日である。

国家に対して反逆を企てた“国家の敵”はもはやローマ市民ですらない、ローマ市民ならざる者には死刑こそふさわしい、……という結論に従って首謀者たちは即刻絞首刑に処せられ、当のカティリナは叛乱軍3000人を率いて武力蜂起するもあえなく散った。

……というキケロの話はともかく。
多くの日本人に「キケロ」という名称は非常に特殊なものに感じられるのではないだろうか? ましてや名前といえばなおさらだ。

まるで地球人の名には聞こえない……宇宙人のような……宇宙人! キケロといえばジョー!?

1967(昭和42)年に東映で製作された特撮ドラマ『キャプテンウルトラ』は、『ウルトラQ』『ウルトラマン』に続くウルトラシリーズ第3弾としてTBS系で放映された、唯一のノット円谷ウルトラシリーズだ。

怪獣ブームのあおりを受けた本作には、もちろんマンガ版が存在する。なかでも当時「週刊少年サンデー」に連載された小畑しゅんじ版『キャプテンウルトラ』は全2巻が曙出版から刊行されたものの長い間絶版となり、2005年に奇跡の復刻版刊行とあいなった。

21世紀後半、「宇宙開拓時代」を迎えた地球。宇宙ステーション「シルバースター」所属の宇宙警察パトロール隊隊員・キャプテンウルトラこと本郷武彦は仲間の隊員たちとともにバンデル星人や怪獣と戦う。

この隊員として登場するのが友好的宇宙人・キケロ星人のジョーだ。
万能ロボットのハックのよき相棒として勇敢に戦い、ムードメーカーとしてチームの和を保つジョーは、テレビで今やベテラン俳優となった小林稔侍が演じていたことでのちに話題となるが、当時はちびっ子の支持を得られず、第12話で母星へ帰るという降板劇を見せることに。

そのかわり、と言っていいのかどうなのかわからないが、マンガ版のジョーは降板せずに最後まで活躍する。
古代ローマの政治家から宇宙人へととんでもないツイストでご紹介することになった作品だが、この機会に復刻版で楽しんでみてはいかがだろうか?



<文・富士見大>
編集・ライター。『THE NEXT GENERATION パトレイバー』劇場用パンフレット、『月刊ヒーローズ』(ヒーローズ)ほかに参加する。「『仮面ライダードライブ』フォトブック~Drivin’Album」『別冊宝島2394 仮面ライダー』もやってます。

単行本情報

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