日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい！WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー！

今回紹介するのは、『ワンダリングワンダーワールド』

『ワンダリングワンダーワールド』第2巻
PEACH-PIT KADOKAWA ￥580+税
（2015年11月21日発売）

日本最大の巨大テーマパーク「ワンダリングワンダーワールド」（通称「ワワワ」）。
“夢の国”で働くキャスト（＝アトラクションの誘導係員）たちは、ゲスト（＝お客）に夢と不思議（ワンダー）を提供するかたわらで、陰の気の固まりである「陰鬼」を封じるための戦いを続けていた。

ワワワは人々の“陽の気”に引き寄せられた陰鬼をその内部で封印する巨大な結界「鬼輪」、そしてキャストたちは超人的な力と特殊な術を駆使する戦士「オニワ（御庭）番」だった。
園内でアクシデントに巻きこまれた少年・鉄心は、陰鬼を引き寄せてしまう特性からワワワのキャストに勧誘され、パークで風の妖精を演じていた美少女・伊吹と謎めいた清掃員・サイの2人とチーム“清掃班”を組むこととなる。

『ローゼンメイデン』のPEACH-PITによる初の少年誌連載作品。
第1巻では主人公の鉄心と額にツノを持つ鬼の眷属とおぼしきサイが、少しずつ友情をつちかっていく様子を描いたが、強力な陰鬼たちの襲撃を受け苦戦するなかでサイが鉄心の胸に鋭い貫手を叩きこむショッキングなシーンで「つづく」、となった。

第2巻では息吹が、オニワが破られかけた3年前の事件で死んだ御庭番を蘇生させたという「殺生石」を、“暴走”を続けるサイとともに探し求める。
テーマパークの定番・お化け屋敷に集まる陰鬼を狩る「ホラーゾーン」のキャストをはじめ新キャラも続々登場。
主人公（？）不在のままつき進む第2巻は、まったくもって予測不能。

陰鬼たちの目的は？　サイの思惑は？　そして鉄心は復活できるのか？
続巻を待つべし！

＜文・富士見大＞
編集・ライター。『THE NEXT GENERATION パトレイバー』劇場用パンフレット、『月刊ヒーローズ』（ヒーローズ）ほかに参加する。『別冊宝島2394 仮面ライダー』や「仮面ライダードライブ公式完全読本」もやってます。