日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい！WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー！

今回紹介するのは、『賭ケグルイ』

『賭ケグルイ』第4巻
河本ほむら（作） 尚村透（画） スクウェア・エニックス ￥571+税
（2015年12月22日発売）

アイドル、好きですか？

良家の子女ばかりが集う超名門私立高校・百花王学園。しかしそれは表の顔に過ぎない。
この学園はギャンブルによって生徒間のヒエラルキーが決定するという、真っ黒な裏の顔を持っているのだ。

そんな学園に転校して来た、勝負事のスリルをこよなく愛する謎の美少女・蛇喰（じゃばみ）夢子と、一癖も二癖もある学生ギャンブラーたちの激戦を描く本作。
この第4巻では、圧倒的な人気を誇る学園のアイドル・夢見弖（ゆめみて）ユメミが、夢子に牙をむく。

表向きはパーフェクトなアイドルとして振るまいつつ、陰ではファンのキモオタたちを心底蔑むユメミ。
なぜなら彼女の本当の目標は、アイドルとして人気を得ることではなく、国際的に活躍する女優になることだから。彼女にとってアイドル活動は、あくまで夢へと続くステップのひとつでしかないのだ。

そしてユメミは、アイドルとしての人気をさらに高めるため、ギャンブル勝負を通じて夢子をアイドルデビューさせようとするのだが……。

アイドルとファンの関係性へと切りこむ物語の展開は、戯画的ではあるものの、ある種の真実をえぐり出している感あり。
このマンガの大きな魅力である容姿端麗な美少女たちが見せるえげつない顔芸も健在。「アイドル」というきらびやかな題材だけに、そのインパクトもひとしおだ。

Mっ気の強い人、必読！

＜文・後川永＞
ライター。主な寄稿先に「月刊Newtype」（KADOKAWA）、「Febri」（一迅社）など。
Twitter:@atokawa_ei