日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい！WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー！

今回紹介するのは、『きみとユリイカ』

『きみとユリイカ』第1巻
香魚子 集英社 ￥400+税
（2016年1月25日発売）

「別冊マーガレット」読者にはすっかりおなじみの香魚子先生の最新作は、いわゆる“ひとつ屋根の下”もの。
ひとり暮らしをしている女子高生・汐見麻衣の家に、突然やってきた天才少年・望月亘理くん。なんやかんやで、2人の共同生活が始まる。

麻衣は家庭的で素直な女の子なので、好感が持てる。亘理くんも美少年だし、この2人がつきあうことになったら、ほんわかいやしカップルになるんだろうなあと想像して、にやにやしちゃいますよ。
しかし、どうやらクラスメイトの爽やかイケメン・久瀬くんも麻衣に気がありそうな態度を取っていて……!?　麻衣をめぐるラブバトル勃発!?

1巻は、とある人物の告白シーンで終わる。次巻では、3人の関係性が大きく動き出しそうなので、要注目だ。
著者の、今にも泣き出しそうな女の子の感情の描写が素敵だと思う。麻衣は親と離れて暮らしていて、たくましい女の子だけれど、ちょっとしたことで不安になる恋する乙女な部分が、とってもいじらしい。読んでいると、恋に悩む麻衣の背中を押してあげたくなってくる。
まあでも、まだまだ先は長いと期待して、焦らずじっくり見守りたい。

それにしても、亘理くんの髪の毛って、猫みたいにふわふわしてそう。

＜文・穂高茉莉＞
楽器店店員。『このマンガがすごい！2016』、「このマンガがすごい！WEB」のアンケートに参加中。最近少女マンガのレビューのお仕事もちょこちょこと始めました。