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『心霊探偵 八雲』第13巻 神永学(作) 小田すずか(画) 【日刊マンガガイド】

2016/03/02


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『心霊探偵 八雲』


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『心霊探偵 八雲』第13巻
神永学(作) 小田すずか(画) KADOKAWA ¥580+税
(2016年1月26日発売)


本作は、販売累計500万部を突破し、TVアニメ化などもされた、神永学の人気小説シリーズ『心霊探偵 八雲』のコミカライズの最新刊である。コミックも人気を博しており、本作のオビには「コミック累計200万部」とうたわれている。

生まれつき赤い左目で、死者の魂を見ることができる大学生・斉藤八雲が、その能力で霊が絡んだ事件を解決していく。
そして、シリーズ全体を貫くのが、八雲と肉親との相克だ。事件の裏側では、ときには父親である「両目の赤い男」、あるいは姉の七瀬美雪が暗躍しているのである。

本作(第13巻)には、第11巻の終盤から続く「失意の果てに」編が収録されている。
「事件の概要だけ搔い摘んでさらっとまとめてしまっては 『心霊探偵八雲』という作品ではない」(第6巻「あとがき」より)という考えで、小田すずかは、原作の読ませどころである人間模様や心理描写を描きこんだコミカライズを行っている。
その結果、今回のようにエピソードが巻をまたぐこともあるわけだが、それは真摯の表れだと好意的に受け取りたい。

八雲により刑務所に収監された七瀬美雪だが、彼女は八雲の叔父・斉藤一心の殺害を予告する。そして、予告どおりに一心は刺され、意識不明の重体となる。
美雪は犯行を認め、凶器のナイフにも指紋が遺されていた。しかし、彼女には刑務所にいたという鉄壁のアリバイがあった。

一心を守れなかった自責の念から、抜け殻のようになった八雲だが、パートナーである小沢晴香の励ましや、ともに事件に挑んできた後藤刑事らの協力もあり、ついに事件の核心をつかむ。
美雪の不可能犯罪の謎に加え、一心が入院する病院には少女の亡霊が出没しており、その正体も気になるところだ。

すべての真相が明かされるであろう、第14巻が待ちどおしい。



<文・廣澤吉泰>
ミステリマンガ研究家。「名探偵コナンMOOK 探偵女子」(小学館)にコラムを執筆。現在発売中の「2016本格ミステリ・ベスト10」(原書房)にてミステリコミックの年間総括記事等を担当。また、「ミステリマガジン」(早川書房)でミステリコミックレビューを担当。

単行本情報

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