日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい！WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー！

今回紹介するのは、『背すじをピン！と～鹿高競技ダンス部へようこそ～』

『背すじをピン！と～鹿高競技ダンス部へようこそ～』第4巻
横田卓馬 集英社 ￥400+税
（2016年4月4日発売）

華麗に見えても相当ハード。先輩部員いわく「体育会系文化部」、競技ダンス部の青春ストーリー！

まったくの初心者同士、雅春と英里のコンビはひと山越えてい～い感じになってきた。まだ入部3カ月目にして2回目の大会に参戦。
間違えずに踊りきれるのか、パートナーを支えられるのか。雅春の心のなかはまだ初歩的な不安でいっぱいだけど、今の課題をまっすぐ見つめて……一つひとつ「できた！」と思う喜びが、そのまま笑顔に結びつくのがほほえましい。

部の先輩ペアは個性的なキャラぞろい。
高3にして競技歴10年以上のトップダンサーで見た目も派手、何もかもエレガントな土井垣・綾辻ペア。2年の八巻・椿ペアは競技歴1年ながらともに運動神経バツグン。目立つための技の開発に余念がなく、ひたすら挑戦的だ。この第4巻の冒頭、ラテンアメリカン部門の決勝で独創的な大技を見せるシーンは興奮度MAX!!

もちろん他校のライバルたちもクセ者、実力者ぞろい。そのなかにあって雅春・英里ペアのつたなくも一生懸命なダンスは見る側も一体化させてしまうような魅力がある。
行けた、ミスった？　いや、落ちついて立て直して……と、笑顔で踊り続ける雅春を眺めていると、こっちもつい笑顔になってしまう。

この先、どんな進化をとげていくのか楽しみでしょうがない！

＜文・粟生こずえ＞
雑食系編集者＆ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」