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5月3日はゴミの日 『プラネテス』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/05/03


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

5月3日はゴミの日。本日読むべきマンガは……。


PLANETES_s01

『プラネテス』第1巻
幸村誠 講談社 ¥657+税


5月3日は語呂合わせでゴミの日。
単なるゴミではなく、地球と心の美しさを護る日=「護美の日」として「100万人のゴミ拾い実行委員会」が提唱、ゴミ拾い活動を推進する記念日にしているそうだ。

もともとは10年前に荒川祐二さんという方が個人で始めた活動だが、今では10万人規模のムーブメントに発展。
「目の前のゴミを堂々と拾える人たちをどんどん増やしていこう」という趣旨は本当にすばらしい。

そんなゴミの日にふさわしいマンガといえば、幸村誠の『プラネテス』だろう。

舞台となるのは宇宙開発が進んだ2070年代。様々な資源を採掘するため、多数の人類が月面に居住していた。
地球と宇宙を結ぶ高々度旅客機もひんぱんに飛びかっていたが、長い宇宙開発のなかで排出されたスペースデブリ(宇宙ゴミ)による事故が社会問題となっていた。

このデブリの回収業者たちが本作の主人公。
千葉県出身の日本人・ハチマキ(星野八郎太)を中心に、さまざまな国籍の作業員が、宇宙に対するそれぞれの想いを抱えながら宇宙で仕事をしていく様が描かれる。

SF作品として優れていることはもちろん、どのエピソードも一本芯が通った大人のドラマが紡がれており、読み手を魅了。
2003年にはNHKでアニメ化され、さらに人気が拡大した。海外でも評価が高く、熱狂的なファンを生んでいる。

連載開始時点から17年もの月日が流れ、今では「スペースデブリは、それほど大した問題ではない」という論調も聴こえてくるようになった(低い軌道のデブリは大気圏に自然落下して燃えてしまうことが多いという)。
だからといって、今後さらなる宇宙開発を進めるうえで、軌道上をさまようデブリを放置していいということにはならないだろう。

文明社会が存在する限り、どんな時も、どんな場所でも、ゴミ問題は起こる。完全に解決することなど、未来永劫ないだろう。
だからこそ個人レベルでも、しっかりと意識を持ってゴミを捨て、ゴミを拾うことが大事なのだ。

あいかわらず平気で道端に紙屑や吸い殻をポイ捨てする人がたくさんいる。でも、他人が捨てたゴミを拾う人はあまり見かけない。
せっかくのゴミの日だ。普段なら無視して通りすぎる、道端の空き缶をひとつ拾ってみようではないか。



<文・奈良崎コロスケ>
中野ブロードウェイの真横に在住。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。公開中の映画『アイ アム ア ヒーロー』の劇場用プログラムに参加しております。
観てね!

単行本情報

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