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5月11日はアドルフ・アイヒマン(ドイツ軍人)が拘束された日 『アドルフに告ぐ』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/05/11


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

5月11日はアドルフ・アイヒマンが拘束された日。本日読むべきマンガは……。


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『手塚治虫文庫全集 アドルフに告ぐ』第1巻
手塚治虫 講談社 ¥850+税


本日5月11日は、ナチス・ドイツの将校であるアドルフ・アイヒマンが、イスラエルの諜報機関モサドによって拘束された日だ。

アイヒマンが将校としてもっとも悪名高い行いは、アウシュビッツなどといった処刑目的の施設・通称「絶滅収容所」にユダヤ人たちを送る指揮を執ったことだろう。
ドイツ敗北後、戦犯として処されることを恐れたアイヒマンは、リカルド・クレメントという偽名を使い、南米のアルゼンチン(国家元首のフアン・ペロンなどが、ファシズムへと傾倒していた)へと逃亡する。
しばらくの間、南米にて第二の人生を過ごしていたアイヒマンだったが、最終的にはモサドによって拘束され、拘束から2年後の1962年、絞首刑に処されて56年の生涯を終える。

今回紹介するマンガは、そんなアイヒマンの登場する『アドルフに告ぐ』。
ドイツ人と日本人のハーフの少年アドルフ・カウフマンと、その親友であるユダヤ人のアドルフ・カミル、そしてアドルフ・ヒトラー……3人のアドルフたちが、第二次世界大戦前後の時代の流れに翻弄される姿が描かれる、言わずと知れた名作だ。

本作においてアドルフ・アイヒマンは、カウフマンのナチスでの上司として登場する。
殺しの師としてカウフマンにユダヤ人への残虐な行為を行わせるアイヒマンだが、終盤では「あの総統の下で忠誠を尽くす我々全員も、実は狂人の群れなんだ」と自嘲的な発言をする一面を見せるのが印象的だ。

そんなマンガでの自嘲的な彼と、史実での裁判において「命令に従っただけ」と言い続けたアイヒマン本人の姿は、どこかダブるものがある(モデルだから当然と言えば当然)。
凡庸だが命令に忠実に動くうちに怪物と化していく男「四人目のアドルフ」として、この掘り下げがいのあるキャラクターが大きく活躍する展開も、もしかしたらありえたのかもしれない。



<文・山田幸彦>
91年生、富野由悠季と映画と暴力的な洋ゲーをこよなく愛するライター。怪獣からガンダムまで、節操なく書かせていただいております。
Twitter:@gakuton

単行本情報

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