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6月23日は夏目漱石(小説家)が『虞美人草』の連載を開始した日 『先生と僕』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/06/23


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

6月23日は夏目漱石が『虞美人草』の連載を開始した日。本日読むべきマンガは……。


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『先生と僕 ~夏目漱石を囲む人々~』第1巻
香日ゆら KADOKAWA ¥714+税


6月23日は、夏目漱石の職業作家としてのデビューの日。
1907年(明治40年)のこの日、漱石が東京朝日新聞社に入社して初めての小説『虞美人草(ぐびじんそう)』の連載が開始された。

『虞美人草』は教職を辞めた漱石にとって職業作家としての第一作目ということもあり、一字一句こだわり抜いて書かれた。
しかしこの時期の漱石は長男の出生といった出来事も重なりなにかと忙しく、連載開始10日前の6月13日に「面会謝絶」の張り紙を自宅の門に掲げるほどであったという。
ちなみに虞美人草とは、中国の伝説に由来したヒナゲシの別名。項羽の愛人・虞を埋葬した墓にヒナゲシが咲いたことから、その名がつけられたそうな。

そんな本日おススメしたいのが、夏目漱石にまつわる史実をもとに、4コマ形式で漱石と多くの友人・門弟たちとのエピソードを描いた『先生と僕 ~夏目漱石を囲む人々~』だ。

1ページに4コママンガが1本と、その横にひと言コラムが配されているのが基本形式。
登場人物は多めだが、4コマで端的に人物像がつかめるし、“歴史上の人物”だった漱石たちがいつの間にかすっかり親しみやすい存在になっている。

おまけにコラムでトリビアネタも仕入れられ、ちょっとした補足やその後の成り行きなどが記されている。
学生時代の教科書がこういう形だったら、もっと漱石をはじめ文豪たちの作品を読んでいたんじゃないか。

正岡子規、狩野亨吉といった友人。寺田寅彦、鈴木三重吉、内田百閒、芥川龍之介、森田草平といった弟子たち。そしてなにより夏目漱石が、100年の時を経て生き生きと描き出されている。
コミックエッセイ形式で漱石話を綴る姉妹編『漱石とはずがたり』もオススメしておきたい。



<文・秋山哲茂>
フリーの編集・ライター。怪獣とマンガとSF好き。主な著書に『ウルトラ博物館』『ドラえもん深読みガイド』(小学館)、『藤子・F・不二雄キャラクターズ Fグッズ大行進!』(徳間書店)など。4コマ雑誌を読みながら風呂につかるのが喜びのチャンピオン紳士(見習い)。

単行本情報

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