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『神さまの怨結び』 第3巻 守月史貴 【日刊マンガガイド】

2016/06/26


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『神さまの怨結び』


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『神さまの怨結び』 第3巻
守月史貴 秋田書店 ¥562+税
(2016年6月20日発売)


本作は、人と人の関係……縁(えん)を切断する「怨(えん)」の気持ちに溺れてしまった少女たちの悲劇である。
全編を通して登場するのは、そうした「怨」を依頼として引き請け、呪いを発動させてターゲットを消し去る赤縄(せきじょう)の化身、禍々しい少女神「蛇(くちなわ)」。
これは、蛇(くちなわ)が人間の愚かさをねぶり味わう愉悦の物語でもある。

ある少女は、胸の大きさをしつこくからかってくる男子に、いっそいなくなってほしいと願ってしまう。
ある少女は、複雑な家庭に暮らすクラスメイトへ恋心と心配をつのらせ、少年を虐待している彼の養父の排除を求めてしまう。
ある少女は、愛する者を永遠に独占するためその相手自体を消そうと考えてしまう。

人を消し去る代償は、怨む対象とのセックス。 もっとも嫌う相手にあえて肉体を汚される図のねじれた官能と、そうまでして人を消そうとする少女たちのすごみが見どころだ。
また、縁を切ることで、恋愛感情や自我など、自分と他人をつなげる大事な要素が喪失する結末が毎回待ち受けるのも無常感をかきたてる。

呪いを請け負う蛇(くちなわ)様は最初、邪悪一辺倒ともとれる印象から始まるが、従者に選んだ蛇(くちなわ)の神社で自殺した青年「クビツリ」との関係がしだいに情緒あるものになり、かわいらしいテレ顔を披露したりと新しい魅力を広げていく。
基本はオムニバスに近い形式だが、最新第3巻までくると、呪いの被害者を統率する謎のキャラクターや、呪いについて調査を進める当局といった対抗勢力が動き出し、全体をつらぬくドラマも見えてくる。

はたして神様自身の縁と怨はどうなるのか、その孤独な魂に触れたクビツリ青年はどう向きあうのか。
徐々に核心へ近づく流れが作られており、今後が楽しみだ。



<文・宮本直毅>
ライター。アニメや漫画、あと成人向けゲームについて寄稿する機会が多いです。著書にアダルトゲーム30年の歴史をまとめた『エロゲー文化研究概論』(総合科学出版)。『プリキュア』はSS、フレッシュ、ドキドキを愛好。
Twitter:@miyamo_7

単行本情報

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