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『一変世界』 第2巻 明治カナ子 【日刊マンガガイド】

2016/07/13


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『一変世界』


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『一変世界』 第2巻
明治カナ子 ¥580+税
(2016年6月9日発売)


魔物が数多くあふれかえる世界。
少女プーリョは、「大巫女」になるため日々修行に励んでいた。
とはいっても超前向きでのほほんとした彼女、大巫女になるのは苦痛ではなさそう。
幼い容姿で自分を「わし」と呼ぶミンミと、有象無象に好かれていつも苦労しているアガサを付き人に抜擢。詩や踊りを神に捧げる宴・奉唱会を開催することになり、国中の人を招くため命がけで奔走することになった。

登場する人物たちは、いつ死んでもおかしくない生活をしている。特に魔物の存在は脅威的。
しかし住民たちは、ある程度は警戒はしているものの、あまり絶望していない。
というのもこの作品では、世界と人々が共存関係にあるからだ。

出てくるキャラクターは一部を除いて、特殊な力を使うことはできない。
彼女たちは世界のなかにいる神々や有象無象の助けをかりることで、生きのびている。
魔物も「敵」ではない。お守りを持つことで争いを避けつつ、彼らの本能をうまく生活に活用している。「お願い」と「譲り合い」で、世界が保たれている。

第1巻ではこの作品ならではの、祈りと共存で成り立つ社会を描写。
第2巻からは本格的に、プーリョ、ミンミ、アガサの活躍が描かれる。
特に、幼女の死体であるミンミ(表紙の手前の女児)がちょこまか動くのは見ていてとても楽しい。
「のじゃ」口調で話す彼女は、緊急事態においてもやたらと落ちつきがある。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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