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『後始末屋と不憫少女』上巻 めいぷる 【日刊マンガガイド】

2016/07/16


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『後始末屋と不憫少女』


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『後始末屋と不憫少女』 上巻
めいぷる 一迅社 ¥680+税
(2016年6月25日発売)


生前に徳を積んだぶんだけ、死後に心残りのアフターケアをしてくれる「後始末屋」。
要するに「未練」を叶えてくれる、らしい。
飛び回って仕事をするのは、生前なんらかの理由で罪を犯してしまった人間の、魂のなれの果て。

ひとり暮らしの16歳、櫻井弥々子(さくらい・ねねこ)のもとに突然現れたのは、喪服を着た後始末屋の男性・楠木秀徳(くすき・ひでのり)。
弥々子の祖母が「ひとりぼっちにさせないでほしい」と願ったため、楠木はその責務を果たすべく、弥々子と同居することになった。

物語のキモになるのは、弥々子の幼さだ。
最初は、男性である楠木が自分の部屋に泊まりこむことを、心底嫌がる。
しかし楠木が悪徳商法でも死神でもないと理解すると、幽霊であるとわかったうえで、あっという間に受け入れる。楠木に元気にあいさつをし、彼がつくる料理をもぐもぐと食べ、一緒にカフェに行きたいとはしゃぐ。
あげくのはてに「今日一緒に寝ない?」といい出した時は、さすがに楠木のほうがびっくりしてしまった。

さびしいのだ。
しっかり者で、おとなびた物言いで、祖母を亡くしても気丈にふるまっているように見える彼女。本当は、とても愛情に飢えている。
未練として後始末屋に「見守ってあげてほしい」と祖母が願うくらい、まだまだ子ども。
彼女に必要なのは、恋愛ではなく、父親のような愛情なのだ。

pixivで連載されていたこの作品。序盤の奇妙な出会いから始まり、2人の生活、他の後始末屋の事件などを描き、後半では楠木の過去、そして別れまで、一気に話が展開する。
楠木が弥々子にかけたセリフ「ねねちゃんにはちゃーんと お嫁にいってもらわないと!」が象徴する、16歳と33歳、2人の特異な関係性は、とても魅力的だ。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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