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『集英社文庫 屍鬼』 第1巻 小野不由美(作)藤崎竜(画) 【日刊マンガガイド】

2016/08/15


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『屍鬼』


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『集英社文庫 屍鬼』 第1巻
小野不由美(作)藤崎竜(画) 集英社 ¥780+税
(2016年6月3日発売)


『屍鬼』は、もともと小野不由美の代表作のひとつであるホラー小説。
死に浸食された孤立集落を舞台にした、ハードカバーにして上下巻合わせて1200ページを超える重厚な吸血鬼ものだ。

藤崎竜によるコミカライズは全11巻を数え、2010年にはアニメ化もされている。
その文庫版の刊行が2016年7月から始まった。

三方をモミの木で囲まれ、卒塔婆作りを主産業とする人口1300人の外場村。
いまだ土葬の風習が残るこの村で、変死者が続出する。1年前に越してきた少年・結城夏野は、原因不明の貧血で死んだはずの同級生の視線を感じていた……。

原作の筋をただ追うのではなく、『封神演義』でもアレンジが冴えた藤崎竜の腕が、ここでも振るわれている。
都会育ちの高校生・結城夏野に焦点を当て、少年マンガ的なスピード感とコミカルな要素を加えつつ大胆にアレンジ。それが高評価につながった。

文庫版になった今、改めて読んでみても、底なし沼に沈むような重さの原作とは異なり、マンガならではのアクティブな怖さがそこにある。夏のお盆前後にピッタリの作品だ。



<文・卯月鮎>
書評家・ゲームコラムニスト。週刊誌や専門誌で書評、ゲーム紹介記事を手掛ける。現在は「S-Fマガジン」(早川書房)でファンタジー時評、「かつくら」でライトノベル時評を連載中。
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単行本情報

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