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『先生、黒髪になっても気付いてくれる?』 第1巻 長谷川和志 【日刊マンガガイド】

2016/08/25


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『先生、黒髪になっても気付いてくれる?』


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『先生、黒髪になっても気付いてくれる?』 第1巻
長谷川和志 双葉社 ¥600+税
(2016年7月28日発売)


高校2年生に進級する直前、黒髪の地味子が金髪になって登校。
当然のようにざわつくクラスメイト。その大胆なイメチェンの裏には、ある秘密があった――。

思わせぶりなイントロを書いてしまったが、タイトルでネタバレしております。
表紙の金髪女子高生がヒロインの小杉尚美。県立村本高校の2年生だ
(登場人物がみんな、関西弁を話しているので大阪・京都以外の関西圏の高校だろう)。

でもって、その尚美が想いをよせているのが、奥のほうでベンチに座っている担任の星田竜平先生。この星田先生、身長190センチの巨漢で、常にジャージ姿のコワモテ体育教師。
口癖は泣く子も黙るドスのきいた「シバくぞ!」。生徒たちの通称はブタゴリラだ。

こう見えてまだ26歳の若手教師なのだが、当然のごとく女子人気は皆無。
そんな星田先生を尚美がなぜ好きになったのか?
それにはきっかけとなる小さな出来事があった。気になる方は、ぜひコミックスで確かめてほしい。

主軸となるような大きな物語はなく、みんなが知らない星田先生の一面を尚美が発見し、ニマニマしながら距離を詰めていくキュートなエピソードで構成されている。
「シバくぞ!」と怒鳴られれば、怒鳴られるほど、ウキウキしていく尚美。

保健室のぽっちゃりアラサー女教師に嫉妬をしたり、がんばって手作り弁当を作ってきたり……。
1年生までの学園生活とは、風景の色づきが明らかに違う毎日が、とても楽しそうだ。

作者は『アビル少年映画を作る』の長谷川和志。いわゆる日常系の属性を持ってはいるが、キャラクター造形はリアルであり、紋切型の“萌え”とは一線を画す、庶民的でユーモラスな作品に仕上げている。

どんどん接近してくる尚美に対して、星田先生は表情を崩さずとも、決してイヤではないのはよくわかる。今のところ2人が本物の恋愛関係になることはなさそうだが、もしかしたら……という若干のハラハラも秘めている? そのあたりも含めて、尚美のようにニマニマしながら見守っております。



<文・奈良崎コロスケ>
中野ブロードウェイの真横に在住。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。今秋公開予定の内村光良監督『金メダル男』の劇場用プログラムに参加しております。

単行本情報

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