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『エンバンメイズ』 第5巻 田中一行 【日刊マンガガイド】

2016/09/06


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『エンバンメイズ』


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『エンバンメイズ』 第5巻
田中一行 講談社 ¥600+税
(2016年8月5日発売)


お酒を飲みながら「ダーツ」に興じる若者たち。彼らの姿を見るたびに、「リア充め!」と羨望にも似た嫉妬心にかられてしまう。
けれど、この作品に出てくるダーツプレイヤーたちはリア充なんかではなく、自身の命を賭けて、ダーツ勝負に身を投じている。そう、『エンバンメイズ』である。

主人公・烏丸徨(からすま・こう)は対戦相手からも「悪魔」と呼ばれるような人物。狙った的をはずすことがない、神がかり的な腕前を持つダーツプレイヤーだ。
もちろん、彼の前に立ちはだかる面々も、相当な腕前の持ち主。みな一様に、的をはずすことがない。

では、どこで勝負が決まるのか。
それは心理戦。言葉や態度でもって相手を撹乱し、その心理戦を制した者が勝者となる。
これは、一風変わったダーツバトルマンガなのである。

これまでにも壮絶なバトルを勝ちぬいてきた烏丸だが、最新巻で挑むのは、第三者の命を賭けた勝負。
その第三者とは、烏丸自身がダーツの腕を磨いたとある養成機関の、後輩たち。
そう、今回は、何の罪もない未来のプレイヤーたちの命が左右されるバトルなのだ。

もちろん、烏丸は彼らの命を守ろうとする。しかしその一方で、対戦相手である皆月司は、そんなことおかまいなし。
勝負が進むにつれて、皆月の思惑通り、後輩たちはひとり、またひとりと焼却処分されていく……。

後輩たちを守り、自らも勝つなんて、もはや絶望的。そんな状況に追いこまれてしまった烏丸は、いったいどういった手段に出るのか。
最後までその勝負を見届けた時、きっと読者にはカタルシスが訪れるだろう。

しかし、今巻のラストでは、またしても卑劣な勝負への導入が描かれている。
続く第6巻は、いったいどうなってしまうのか。読むのが楽しみでもあり、怖くもある。

「ダーツプレイヤー=リア充」なんて思っていた自分が恥ずかしい。
烏丸さん、ごめんなさい。



<文・五十嵐 大>
'83年生まれの、引きこもり系フリーライター。デスゲーム系やバトルもの、胸キュン必至の恋愛マンガやBLまで嗜む、マンガ好きです。マイブームは、マンガ飯の再現。

単行本情報

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