日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい！WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー！

今回紹介するのは、『BIRDMEN』

『BIRDMEN』 第8巻
田辺イエロウ 小学館 ￥429+税
（2016年8月18日発売）

交通事故がきっかけで、体から翼が生える「鳥男」となった中学3年の烏丸英司。
空を飛ぶ力、人間離れしたパワーと生命力を手に入れるが、一方でナゾの怪物に襲われる現象に見舞われるように……。烏丸を含む5人の少年少女は、もっとも「鳥男」歴の長い鷹山をリーダー格に、特殊能力を活かした人助けに励んだり、「鳥部」と称して能力を乗りこなす活動を行ったり。

世間では「鳥男」は都市伝説的な存在で、目撃談や出没した映像はネットを騒がせる――“ウワサの鳥男”たちは秘密の仲間。命を落とす危険にさらされながら友情をつむぐ、普通の中学3年生たちの物語はSFでありながらジュブナイルストーリーの魅力もいっぱいだ。

世界各国に存在する鳥男たちを集め、ある企てを起こしたアメリカの鳥男・アーサーが命を落とした直後に、鷹山が失踪。不安を抱えたまま、烏丸たち4人は中3の夏休みを迎える。
鷹山の動向はもちろん、メンバーの紅一点であるつばめもどこか様子がおかしい模様。

また、一方では鳥男を研究する組織「EDEN」のエージェントが、烏丸たちの相談役である龍目に接触してきて……。「EDEN」の秘密がじわじわとあきらかになり、緊迫感は高まるばかり！

わかりやすい「敵」が見えないだけに、登場人物個々の思惑や利害関係を一手ずつ解読していくのも楽しい。

＜文・粟生こずえ＞
雑食系編集者＆ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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