このマンガがすごい!WEB

一覧へ戻る

10月8日は「足袋の日」 『ウメ星デンカ』を読もう!【きょうのマンガ】

2016/10/08


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

10月8日は足袋の日。本日読むべきマンガは……。


FujikoFFujiozenshuUMEBOSHIDENKA_s03

『藤子・F・不二雄大全集 ウメ星デンカ』 第3巻
藤子・F・不二雄 小学館 ¥1,500+税


10月8日は「足袋の日」。
これは、日本足袋工業会が1988年に制定した。10月は七五三・お正月・成人の日など、これから着物を着る機会が多くなるシーズンであり、末広がりで縁起のいい「八」日を「足袋の日」としたものだそう。

そんな「足袋の日」にふさわしいマンガのキャラクターといえば、藤子・F・不二雄の「ゴンスケ」。
なにせゴンスケは足が足袋のかたちそのものなのだから。
そのゴンスケが活躍する『ウメ星デンカ』を読もう!

藤子・F・不二雄作品のなかでもゴンスケはずば抜けてアクの強いキャラクターだ。
細い手足を持ったロボットで、一人称は「オラ」。お金にがめつく頭が固く、ズーズー弁で自分本位。おまけに無教養で無神経。かわいらしさのカケラもないような性格だ。
じつはこのゴンスケ、落語の世界では「権助」としておなじみの存在で、たいてい田舎者の飯炊きとして描かれる。いかにも落語好きの藤子・F・不二雄らしいキャラクターだといえる。

ゴンスケの初登場は21世紀のホテル・つづれ屋を舞台にした生活SFギャグ『21エモン』。ゴンスケは接客態度最悪なボーイとして働く、中古のイモ掘りロボットだ。
もともとイモ堀り用だったせいか足はまんま地下足袋ライクなデザインになっており、機能美すら感じさせる。

物語をひっかき回すゴンスケは作者としても使い勝手がよかったのか、続く『ウメ星デンカ』にもゴンスケは連続して登場した。
ラーメン大好き小池さんや、近所のガンコおやじ・神成さんなど、モブ的に登場するキャラクターが続投することはままあるが、ゴンスケのような例は非常に珍しく、藤子・F・不二雄もよほどゴンスケがお気に入りだったと思える。

『ウメ星デンカ』は故郷のウメ星が爆発したため、地球に逃げのびたウメ星王室ご一家の物語。ここでのゴンスケは、スーパーめし使いロボット「強力ゴンスケ号S」として登場する。
袋貼りの内職を教えてウメ星再建の資金を蓄えようと、侍従のベニショーガが取りよせたものだ。
「強力ゴンスケ号S」は宇宙製の組み立て式のプラモで、みんなで寄ってたかってテキトウに組み立てたせいかパーツが余り、そのせいかちっともみんなのいうことを聞かない。

初登場回からトビラで大暴れして『ウメ星デンカ』のタイトル文字をぶち壊したり、登場3回目には『ウメ星デンカ』のタイトルを差し替えて勝手に『ゴンスケ』にしてしまったりする。
この、タイトル改題のギャグは雑誌発表時だけのネタだったのだが、近年めでたく「藤子・F・不二雄大全集」版単行本3巻に収録された。

傍若無人なゴンスケだが、ロボットの身でヒロイン・みよちゃんに恋をする。
田舎成金みたいな不遜なゴンスケが、みよちゃんの前に出るとコーフンのあまり全身がガタガタと震えだし、ついにはバラバラに崩れてしまうのだ。

「藤子・F・不二雄大全集」版『ウメ星デンカ』単行本第3巻は、半分以上ゴンスケの主演エピソードが収められているといっても過言ではない。野放図でぶしつけなゴンスケのふるまいは、どこか魂が解放される快感に満ちているのだ。
なにかとストレスのたまる現代社会、ぜひゴンスケの傲慢無礼な大暴れっぷりを堪能してスカッとしてほしい!

さらに、SF短編「ドジ田ドジ郎の幸運」では、宇宙合目的調整機構統計局均整課偶然係長ゴンスケとしても登場している。
ゴンスケの活躍が気に入った方は、こちらもあわせ読むことをおススメします!
ほんで地下足袋はいてイモ堀りすんべ!



<文・秋山哲茂>
フリーの編集・ライター。怪獣とマンガとSF好き。主な著書に『ウルトラ博物館』『ドラえもん深読みガイド』(小学館)、『藤子・F・不二雄キャラクターズ Fグッズ大行進!』(徳間書店)など。構成を担当した『てんとう虫コミックスアニメ版 映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』が発売中。4コマ雑誌を読みながら風呂につかるのが喜びのチャンピオン紳士(見習い)。

単行本情報

  • 『藤子・F・不二雄大全集 ウメ… Amazonで購入
  • 『藤子・F・不二雄大全集 21エ… Amazonで購入
  • 『藤子・F・不二雄大全集 SF・… Amazonで購入

関連するオススメ記事!

アクセスランキング

3月の「このマンガがすごい!」WEBランキング