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『ガタガール』 第1巻 小原ヨシツグ 【日刊マンガガイド】

2016/10/15


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『ガタガール』


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『ガタガール』 第1巻
小原ヨシツグ 講談社 ¥600+税
(2016年9月9日発売)


中学二年生の潮崎干太(しおざき・かんた)が無理やり姉に連れて行かれたのは「干潟観察会」。
ざっくりいうと潮干狩り。いやいや行った観察会には、普段おとなしく、干太が憧れていた同級生の少女、七瀬汐(ななせ・うしお)がいた。
いつもと違って、胴までの一体型長靴つなぎに、首にタオル、指ぬきグローブ。ものすごい饒舌で、カニや貝などの生態を話しかけてくる。
彼女は普段擬態をしておとなしいふりをしているだけ。干潟に来てテンション高い状態が、本性だ。

同志と認識された干太が、超ハイテンション理系女子に振り回される、いきものコメディ。
海洋ではなく「干潟」。これが意外と生物にあふれている。
貝を掘る位置のコツや、泥の深みなど、「干潟あるある」なネタが満載。
彼女たちは必ず自分の足で探す。実地型の活動は、マニアックなわりに青春度合いはとても高い。

にしてもヒロイン汐が、ものすごくメンドくさい。
干潟に関してはたしかに詳しい。だが、プライドがめちゃくちゃ高く、干太が自分より大きな貝を取ったり、少しでもリードするとへそを曲げる。
逆に下手に出て干潟について聞いてみると、ドヤ顔でマシンガントークを始める。
このウザさが、男子中学生視点を通してみると「純粋」な女の子で、どえらくかわいく見える。
そりゃーかまってあげますよ。彼女のために生物部だって入っちゃいますよ。本当にうっとうしいわけではない、かなりよいバランスのウザカワ少女です。

汐は動物が好きでかわいがっているわけじゃないのが、この作品のポイント。
別に愛でたいわけではなく、あくまでも収集しているのは研究対象だ。
後半、部員と口論するシーンがある。カニを「飼う」か「標本にする」か。
もちろん汐は後者。マッドサイエンティストというべきか、「干潟」のフェチというべきか。

干太との恋愛は……今は汐がそっちに意識いく気がしない。
恋よりも趣味に夢中だからこそ、魅力的なのだ。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

  • 『ガタガール』 第1巻 Amazonで購入

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