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『プリンセスメゾン』 第3巻 池辺葵 【日刊マンガガイド】

2016/11/14


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『プリンセスメゾン』


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『プリンセスメゾン』 第3巻
池辺葵 小学館 ¥552+税
(2016年10月19日発売)


この10月からNHK BSプレミアムでTVドラマ版も放映開始となり、新たな注目を集めている『プリンセスメゾン』の最新刊。

居酒屋で社員として働く女子、沼越さん(独身・年収250万円ちょっと)が“運命の物件”に出会うため、モデルルームめぐりをする様と並行して、毎回様々な女性の家にまつわるエピソードが描かれてゆく。

奮発して買ったミニプロジェクターでひとり映画鑑賞を楽しむ受付嬢、久々に田舎に帰省したファッション雑誌の敏腕編集長、夫婦+親子喧嘩をして東京に家出してきた沼越さんの地元の親友……。

「欲しいものって手に入れてからが勝負だよね。」
「私 これで合うてんやろか。」
「しゃあないわ。みんな自分の選んできたもんを背負うていくんやから。」

「理想のおうち探し」といえば、どこか甘い夢のようなイメージもあるが、都会で女がひとりで生きてゆくということは、金銭的にも精神的にも、なかなかハードボイルドなわけで。

だれもが様々な思いを抱えて、迷ったり、打ちのめされたりしながらも生きている。
そんな小さな世界のささやかだがハッとするような瞬間をサイレント映画のように静謐なタッチで情感たっぷりに描き出す。

これまでにも著作を通じて、孤独な人々のささやかな日々をほのかに照らす、祈りにも似た思いを描いてきた池辺葵だが、本作の彼女たちにとっての「家」とは、だれにも侵すことのできない私だけの「聖域」であり「希望」なのだと気づかされる。

本作ラストでは、ついに沼越さんのお家探しが大きく動き出し――。
彼女たちの物語がどんな場所へと終着するのか、まだまだ目が離せない!



<文・井口啓子>
ライター。月刊「ミーツリージョナル」(京阪神エルマガジン社)にて「おんな漫遊記」連載中。「音楽マンガガイドブック」(DU BOOKS)寄稿、リトルマガジン「上村一夫 愛の世界」編集発行。
Twitter:@superpop69

単行本情報

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